・少なくとも2レジメン以上の治療歴のある進行性腎細胞がん患者が対象の第3相試験
・3/4次治療としてのVEGF阻害薬Tivozanib単剤療法の有効性・安全性をネクサバールと比較検証
・Tivozanib群で病勢進行または死亡のリスクを27%統計学有意に改善
2019年12月3日、医学誌『The Lancet Oncology』にて進行性腎細胞がん患者に対する3/4次治療としてのVEGF阻害薬であるTivozanib単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のTIVO-3試験(NCT02627963)の結果がCleveland Clinic Taussig Cancer InstituteのBrian I Rini氏らにより公表された。
本試験は、少なくとも2レジメン以上の治療歴のある進行性腎細胞がん患者に対して3/4次治療としてのTivozanib単剤療法を投与する群(N=175人)、またはソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)単剤療法を投与する群(N=175人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証した第3相試験である。
本試験が実施された背景として、進行性腎細胞がんに対するVEGF阻害薬の有用性は複数の臨床試験で確認されており、前治療歴として抗PD-1抗体薬の治療歴のある患者に対しても有用性があることが確認されている。以上の背景より、進行性腎細胞がんに対するTivozanib単剤療法の有用性を確認する目的で本試験が開始された。
本試験のフォローアップ期間中央値19.0カ月時点における結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はTivozanib群19.0カ月(95%信頼区間:5.29-7.33カ月)に対してネクサバール群3.9カ月(95%信頼区間:3.71-5.55カ月)、Tivozanib群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを27%(HR:0.73,95%信頼区間:0.56-0.94,P=0.016)統計学有意に改善した。
最も多くの患者で確認されたグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)は高血圧がTivozanib群20%に対してネクサバール群14%を示した。重篤な有害事象(SAE)発症率はTivozanib群11%に対してネクサバール群10%を示した。なお、治療関連有害事象(TRAE)により死亡は1人の患者も確認されていない。
以上のTIVO-3試験の結果より、Brian I Rini氏らは以下のように結論を述べている。”進行性腎細胞がん患者に対する3/4次治療としてのVEGF阻害薬であるTivozanib単剤療法は、ネクサバール単剤療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に改善し、忍容性も良好でした。”