がん情報サイト「オンコロ」

キナーゼ阻害剤カボザンチニブ、がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞がんに関する国内製造販売承認を申請

2020年1月29日、武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)は、カボザンチニブリンゴ酸塩(開発コード:XL184、以下「カボザンチニブ」)について、がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞がんに対する治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを発表した。

今回の申請は、主に、プラセボ群と比較して同剤の有効性が統計的に有意な結果を示し、かつ安全性プロファイルについても確認された二次治療以降の進行肝細胞がん患者を対象とした海外臨床第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験であるXL184-309試験、ならびに日本人における有効性および安全性を検討した国内臨床第2相試験であるCabozantinib-2003試験の結果に基づくものである。

カボザンチニブは、米Exelixis, Inc.が開発し、日本国内では2017年1月に武田薬品と開発提携および独占的販売権に関する契約を締結した。

また、2019年4月に切除不能又は転移を有する腎細胞がんに対する治療薬として製造販売承認申請を行った。

カボザンチニブについて

カボザンチニブは米国において進行性腎細胞がんの治療およびソラフェニブ治療後の肝細胞がん等の治療の適応で承認されている。

また、カボザンチニブはEUやその他の国および地域においても承認されている。

XL184-309試験について

同試験では、ソラフェニブによる投与歴を有し、抗がん剤による全身治療後に増悪した進行性肝細胞がん患者(707例)を対象に、同剤60mgを1日1回連日投与した海外臨床第3相試験。

同試験(同剤群470例、プラセボ群237例)は、2回目の中間解析の結果、有効中止となり、主要評価項目である全生存期間OS)の中央値は、同剤群で10.2カ月、プラセボ群で8.0カ月であり、層別因子で調整したハザード比HR)は0.76[95%CI:0.63~0.92、P=0.0049(層別ログランク検定)]であった。

Cabozantinib-2003試験について

同試験は、がん化学療法による治療歴を有する日本人進行性肝細胞がん患者(34例)を対象に、同剤60mgを1日1回連日投与した国内臨床第2相試験。

参照元:
武田薬品工業株式会社ニュースリリース

×
モバイルバージョンを終了