5月22日、第一三共株式会社(以下第一三共)は、GPR20を標的とした抗体薬物複合体(以下ADC)であるDS-6157の第1相臨床試験で、進行性の消化管間質腫瘍(GIST)の患者に投与を開始したことを発表した。
DS-6157は、第一三共独自のADC技術を用いて開発された5番目の薬剤。GISTにおいて過剰発現しているたんぱく質の一種である、がん細胞膜上のGPR20を標的としている。独自のリンカーを介して新規のトポイソメラーゼI阻害剤を抗GPR20抗体に結合させた薬剤であり、薬物を直接がん細胞内に届けることで、全身曝露を抑える。現在、GPR20を標的としたがん治療の薬剤はない。
今回の試験は、日米などで行われている第1相臨床試験で、再発または進行性のGIST患者が対象である。用量漸増パートでは約40名の患者を対象に投与量を段階的に増やしながら安全性と忍容性を評価し、最大耐用量と推奨用量を決定する。その後の用量展開パートでは、約60名の患者を対象に、推奨用量での安全性と有効性を評価する。
現在、再発または進行性のGISTに対する有効な治療法は十分ではなく、新しい治療の選択肢を患者に提供できることを期待している。
GISTとは
主に胃や小腸などの消化管に発生する希少な軟部組織肉腫です。GISTの主な治療法として外科的切除やチロシンキナーゼ阻害剤による標的療法が推奨されているが、治療抵抗性となった場合の選択肢は限定的で、新たな治療法が必要とされている。
参照元:
第一三共株式会社 ニュースリリース
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