この記事の3つのポイント
・胃生検材料を用いたAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性確立を目指す共同研究
・病理医の不足並びに診断の多様化により、病理医の負担は増加している
・2023年までにAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性確立と精度向上を図り、病理医の負担低減を目指す
・胃生検材料を用いたAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性確立を目指す共同研究
・病理医の不足並びに診断の多様化により、病理医の負担は増加している
・2023年までにAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性確立と精度向上を図り、病理医の負担低減を目指す
11月16日、オリンパス株式会社は呉医療センター・中国がんセンターの病理診断科との共同研究において、国内6施設の協力の下で胃生検材料を用いたAI病理診断支援ソフトウェアの検証を行い、2023年までに同ソフトウェアの汎用性確立を目指すと発表した。
近年、多くの病院で病理医が不足するなか、診断の多様化により病理医の負担は増加している。実際に、病理診断件数は2005年から2015年にかけて214万件から476万件と約2.2倍に増加、がんの治療方針を決定するためなどに必要な免疫染色件数も、15万件から42万件と約2.8倍に急増している。これら病理医の負担増の解決策として、AIによる病理診断支援の需要が高まっている。
オリンパスは2017年から呉医療センター・中国がんセンターの病理診断科と共同研究を行っている。同研究の第1フェーズでは、病理医の負担軽減を狙いとした感度100%、特異度50%の精度をもつ胃生検材料を用いたAI病理診断支援ソフトウェアを作成していた。
今回、2020年11月から呉医療センター・中国がんセンターを含む国内6施設で研究の第2フェーズを開始。製品化に向けたAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性検証および精度向上を図るという。
6施設では、病理診断済みの胃生検標本から教師データを作成。オリンパスは教師データ約2000件を学習させる予定で、施設ごとに病理標本の差異がある場合でも、AI病理診断支援ソフトウェアが同様の判断を下せるように改良するという。これにより、2023年までに多施設におけるAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性の確立および精度の向上を図り、病理医の負担低減を目指すとしている。
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