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全がん協加盟施設の診断治療症例に基づく5年生存率ならびに10年生存率のデータを更新

11月19日、国立がん研究センターは、全国がんセンター協議会(全がん協)加盟施設の診断治療症例における部位別5年生存率、10年生存率を集計し、全がん協のホームページで一般公開したと発表した。

この取り組みは、同センターの「施設をベースとしたがん登録情報の収集から活用・情報発信までの効果と効率の最大化モデル構築のための研究」研究班(班長:奥山絢子、所属:国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター)が全がん協の協力を経て、同協会に加盟する32施設の診断治療症例から部位別5年生存率、10年生存率を集計しているもの。同研究班は、1997年の診断症例より部位別臨床病期別5年生存率を、1999年の診断症例より施設別5年生存率を公開しており、2012年からはグラフを描画する生存率解析システム「KapWeb(カップウェブ)」を開設し、2016年からはより長期にわたる生存率を把握するために10年生存率を公開している。

今回公表された5年生存率は、2010~2012年に診断治療を行った症例のうち、集計基準を満たした約14万8000症例に基づくもので、全部位の5年相対生存率は68.6%だった。(前回の2009~2011年症例は68.4%)

また、10年生存率は2004年~2007年に診断確定を行った約9万4000症例を集計し、全部位の10年相対生存率は58.3%であった(前回の2003~2006年症例は57.2%)。なお、現在10年生存率の算出と公開を行っているのは同研究班のみである。


※5年生存率、10年生存率ともに前回の公表データと比較し、多くの部位で生存率の上昇を認めているが、低下している部位も含めて、臨床的に意味のある変化は認められていない。

グラフデータベースKapWebは今回、新たに5年生存率算出のため、2012年に診断治療を行った32施設5万4172症例の情報と、10年生存率算出のため、2007年に診断治療を行った21施設3万4644症例の情報を追加。 KapWebでは、1年から10年までの生存率年次推移を、がん種、病期、治療法などさまざまな条件設定で検索が可能(※6年から10年生存率は一部の期間のみ)であり、部位別生存率においては相対生存率に加え、実測生存率も提示される。

実測生存率とは
死因に関係なくすべての死亡を計算に含めた生存率。がん以外の死因による死亡も含まれる。

相対生存率とは
がん以外の死因による死亡などを取り除いたものであり、患者集団の実測生存率を患者集団と同じ性別・年齢構成の一般集団における生存率で割ることで算出している。

参照元:
国立がん研究センター プレスリリース
生存率解析システム「KapWeb」

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