・再発/難治性急性骨髄性白血病患者が対象の第1相試験
・リンツズマブ-AC225+CLAG-M化学療法の有効性・安全性を検証
・全患者における寛解率は67%であり、用量の漸増に伴い寛解率が上昇した
2020年12月5日~8日、オンラインミーティングで開催された第62回米国血液学会議(ASH 2020)にて再発/難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対する抗CD33モノクローナル抗体リンツズマブ-AC225+CLAG-M化学療法(クラドリビン、シタラビン、G-CSF、ミトキサントロン)化学療法の有効性、安全性を検証した第1相試験の結果がMedical College of WisconsinのSameem Abedin氏らにより公表された。
本試験は、再発/難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対してリンツズマブ-AC225 0.25uCi/kg(コーホート1)、0.50uCi/kg(コーホート2)、0.75uCi/kg(コーホート3)+CLAG-M化学療法を投与し、安全性、客観的奏効率(ORR)などを検証した第1相試験である。CLAG-M化学療法の詳細は2~6日目にクラドリビン5mg/m2、シタラビン2g/m2、1~6日目にG-CSF300μg、2~4日目にミトキサントロン10mg/m2である。
本試験が開始された背景として、強力な治療の適応がない急性骨髄性白血病(AML)に対するファーストライン治療としての抗CD33モノクローナル抗体リンツズマブ-AC225単剤療法は、約70%の患者で完全寛解率(CR)/血球数が未回復な完全寛解率(CRi)を達成することが確認されている。以上の背景より、再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対するサルベージ療法であるCLAG-M化学療法に抗CD33モノクローナル抗体リンツズマブ-AC225を上乗せする有用性を検証する目的で本試験が開始された。
グレード3以上の有害事象(AE)は好中球減少症12人、感染症8人、斑状丘疹性発疹2人、悪心2人、QTc延長1人、腫瘍崩壊症候群1人であった。
有効性評価が可能であった15人の内、完全寛解率(CR)/血球数が未回復な完全寛解率(CRi)は67%(N=10人)を示した。また、前治療歴3レジメン以上の患者を除いた完全寛解率(CR)/血球数が未回復な完全寛解率(CRi)は83%(N=10/12人)であった。
用量別の奏効率はコーホート1群で完全寛解率(CR)33%(N=1人)、コーホート2群で完全寛解率(CR)/血小板未回復の完全寛解率(CRp)/血球数が未回復な完全寛解率(CRi)は67%(N=6人)、コーホート3群で完全寛解率(CR)/血小板未回復の完全寛解率(CRp)は100%(N=3人)を示した。
以上の第1相試験の結果よりSameem Abedin氏らは「再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対する抗CD33モノクローナル抗体リンツズマブ-AC225+CLAG-M化学療法の忍容性は問題がなく、投与量の増量により抗腫瘍効果も期待のできる結果を示しました」と結論を述べている。