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抗体薬物複合体DS-6000、切除不能腎細胞がん/卵巣がんの第1相臨床試験で投与開始

2月3日、第一三共株式会社は、CDH6を標的とした抗体薬物複合体(ADC)であるDS-6000について、切除不能な腎細胞がんと卵巣がんを対象とする第1相臨床試験で投与が開始されたと発表した。

DS-6000は、エンハーツ(DS-8201)などに続いて、第一三共が6番目に開発段階に入ったADC。独自のリンカーを介し、新規トポイソメラーゼI阻害剤(DXd)を抗CDH6抗体に結合させた薬剤であり、薬物をがん細胞内に直接届けることで、薬物の全身曝露を抑える。

カドヘリンタンパク質であるCDH6は、腫瘍増殖や予後不良に関連していると言われている。現在、CDH6を標的としたがん治療薬はなく、CDH6は特に5年生存率が低いと報告されている腎細胞がんと卵巣がんに過剰発現しているため、新たな治療手段が期待されている。

今回の第1相試験は、標準治療に抵抗性のある切除不能腎細胞がんと卵巣がん患者を対象に、用量漸増パート(パート1)と用量展開パート(パート2)の2パートで構成される。登録患者予定数は102名(すべて米国)。パート1では、DS-6000の投与量を増やしながら安全性忍容性を評価し、最大耐用量と推奨用量を決定する。パート2では、推奨用量におけるDS-6000の安全性と有効性を評価する。なお、安全性は評価項目として用量制限毒性および有害事象、有効性の評価横目は、全奏効率病勢コントロール率奏効期間および無増悪生存期間などである。

第一三共は「当社は、本剤を通じて腎細胞がんと卵巣がん患者さんに新たな治療の選択肢を提供できることを期待しております」と述べている。

腎細胞がんとは
腎臓がんの90%を占め、2020年における世界の新規罹患数は約43万人、死亡者数は約18万人である。切除不能な腎細胞がんにおける5年生存率は13%である。

卵巣がんとは
卵巣がんは2020年における世界の新規罹患数は約31万人、死亡者数は約21万人と報告されている。3大婦人科悪性腫瘍の1つである。切除不能卵巣がんの5年生存率は30%。

抗体薬物複合体(ADC)とは
抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤。がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高める。

参照元:
第一三共株式会社 プレスリリース

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