3月31日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社の関連会社であるセルジーン株式会社は再発/難治性多発性骨髄腫に対するB細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCAR-T細胞(自家キメラ抗原受容体T細胞)療法idecabtagene vicleucel(ide-celまたはbb2121)について、再生医療等製品製造販売承認申請を行ったと発表した。
多発性骨髄腫の治療法は大きく進歩しているが、いまだ治癒は難しく、治療が奏効しても徐々に効果が減弱し、再発の可能性が高い。また、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3つ以上の前治療歴がある再発/難治性の多発性骨髄腫に対する標準治療はなく、新たな治療法が期待されている。
今回の承認申請は、日本を含む国際共同第2相試験ならびに米国で実施された海外第1相試験の結果に基づくもの。どちらの臨床試験も再発/難治性の多発性骨髄腫に対する有効性と安全性を評価した試験である。
ブリストル・マイヤーズ スクイブとセルジーンの代表取締役社長であるジャン=クリストフ・バルラン氏は、「CAR-T細胞療法において、先週承認されたブレヤンジに続いて2件目の申請を行うことができ大変光栄です。複数CAR-T細胞療法を申請したのは、国内では当社が初めてで、かつ唯一となります。これは日本の患者さんのアンメットメディカルニーズに応えようとする私たちの強い意志を表すものです。『心のこもったイノベーション』を掲げる業界のゲームチェンジャーとして、ブリストル・マイヤーズ スクイブは深刻な病と闘う患者さんを助けるための活動を継続してまいります」と述べている。
なお、セルジーンのCAR-T細胞療法の承認申請は3月22日に承認されたブレヤンジ(一般名:リソカブタゲン マラルユーセル)に続き、2件目となる。
idecabtagene vicleucel(ide-cel)とは
idecabtagene vicleucel(ide-cel)は、多発性骨髄腫細胞の表面に発現するBCMAを標的としたCAR-T細胞療法。BCMAを認識し結合すると、CAR-T細胞が増殖しサイトカインが放出され、結果としてBCMA発現細胞が融解・殺傷する。同剤は再発/難治性の多発性骨髄腫を対象に希少疾病用再生医療等製品に指定されている。また米国では、米国食品医薬品局(FDA)からブレークスルーセラピー(画期的治療薬)の指定を受けている。
参照元:
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 プレスリリース