・再発転移性子宮頸がん患者が対象の第2相試験
・Tisotumab vedotin(チソツマブ ベドチン)単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は24%であり、完全奏効率は7%であった
2021年4月9日、医学誌『The Lancet Oncology』にて前治療歴のある再発転移性子宮頸がん患者に対するTisotumab vedotin(チソツマブ ベドチン)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03438396)の結果がThe WoodlandsのRobert L Coleman氏らにより公表された。
本試験は、前治療歴が2回以下の再発転移性子宮頸がん患者(N=101人)に対して3週を1サイクルとしてTisotumab vedotin2.0 mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証した多施設共同オープンラベルシングルアームの第2相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値10.0ヶ月(IQR:6.1~13.0ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は24%(95%信頼区間:16~33%)、奏効の内訳は完全奏効率(CR)7%(N=7人)、部分奏効率(PR)17%(N=17人)を示した。
一方の安全性として、最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は脱毛症38%、鼻血30%、悪心27%、結膜炎26%、倦怠感26%、ドライアイ23%であった。また、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は28%の患者で確認され、その内訳は好中球減少症3%、疲労2%、潰瘍性角膜炎2%、末梢神経障害2%であった。
以上の第2相試験の結果よりRobert L Coleman氏らは「前治療歴のある再発転移性子宮頸がん患者に対するTisotumab vedotin単剤療法は、持続的で臨床的に意義のある抗腫瘍効果を示し、管理可能で忍容性のある安全性プロファイルを備えていました」と結論を述べている。