6月30日、帝人ファーマ株式会社は、同社が創製し、欧州に導出している高尿酸血症・痛風治療剤「フェブキソスタット(日本商品名:フェブリク、欧州販売名:アデニュリク)」について、欧州におけるサブライセンス先であるイタリアのメナリーニ社が「腫瘍崩壊症候群の中間リスク及び高リスクを有する造血器腫瘍患者における化学療法に伴う高尿酸血症」に対する適応拡大の承認を取得したと発表しました。
【腫瘍崩壊症候群と治療について(帝人ファーマプレスリリース抜粋)】
腫瘍崩壊症候群は、抗がん剤の投与や放射線照射により崩壊した悪性腫瘍細胞に蓄積されていた核酸やリン酸、カリウムなどが血中に大量に放出されることで発生する様々な症状の総称です。核酸は尿酸に分解・代謝されるため、腫瘍崩壊症候群に伴い大量の尿酸が体内で産生し、その結果、高尿酸血症を引き起こし、時として死に至る重篤な疾患である急性腎不全などにつながることが知られています。
欧州においては、痛風を伴う高尿酸血症と同様に、アロプリノールが本高尿酸血症の予防に使用されています。他にも、尿酸分解酵素であるラスブリカーゼが使用されますが、ラスブリカーゼは主として腫瘍崩壊症候群の高リスク患者に使用が限定されることから、新たな治療選択肢が求められていました。
日本国内でも帝人ファーマが、がん化学療法に伴う高尿酸血症を対象疾患とした第Ⅲ相臨床試験を実施中とのことです。
TMX-67の化学療法施行予定悪性腫瘍患者を対象としたアロプリノール対照非盲検無作為化群間比較による検証的試験(第3相試験)
試験情報はこちら(JAPIC-CTI)
記事:可知 健太
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