12月25日、ノバルティス ファーマ株式会社は、ニロチニブ(商品名タシグナ)について、慢性期又は移行期の慢性骨髄性白血病(CML)を効能又は効果として、小児に対する用法および用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。
慢性骨髄性白血病の標準治療は、国内外ともにチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による治療であるが、国内で承認されているTKIはいずれも小児の慢性骨髄性白血病に対する適応を有していなかったが、今回の承認にて使用できるようになった。
今回の承認は、初発もしくはイマチニブ(商品名グリベック)又はダサニチブ(商品名スプリセル)に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病の小児患者58例(日本人9例を含む)を対象にした国際共同第II相試験に基づいている。初発の慢性骨髄性白血病小児患者のうち、主要評価項目であるサイクル12時点までに少なくとも1回分子遺伝学的奏効(MMR)が得られた割合は、64.0%(25例中16例)であった。グリベック又はスプリセル抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病小児患者のうち、分子遺伝学奏効(MMR)が得られた患者さんの割合はサイクル6時点で39.4%(33例中13例) (95% CI: 22.9, 57.9) だった。一方、小児患者で観察された主な副作用は、頭痛(27.6%)、高ビリルビン血症(20.7%)、発疹(20.7%)、悪心(15.5%)、斑状丘疹状皮疹 (13.8%)、嘔吐(12.1%)、脱毛症(10.3%)等だった。
今回の承認について、ノバルティス ファーマ オンコロジー事業本部長であるデイビッド・レノンは「治療選択肢の限られたCMLの小児患者さんに、『タシグナ』を提供できることを大変嬉しく思います。ノバルティスは、血液腫瘍領域における経験とリーダーシップをもとに、これからもCML患者さんに貢献していきます」と述べている。
(文 可知 健太)