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未治療の「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」に対する 『イムブルビカ』の適応追加承認を取得

ヤンセンファーマ株式会社は2018年7月2日、抗悪性腫瘍剤『イムブルビカ®カプセル 140mg(以下、イムブルビカ®、一般名:イブルチニブ)』について、未治療を含む「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」の効能・効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得した。

目次

海外実施における第Ⅲ相試験にて有意な改善・安全性を確認

本適応追加の申請は、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者さんを対象とした国内及び海外の臨床試験においてイムブルビカ®の有効性と良好な忍容性が確認されたことによるものです。海外で実施された第Ⅲ相試験の「RESONATE-2」(PCYC-1115-CA試験)1,2においてイムブルビカ®は、chlorambucil*に対して、無憎悪生存期間、全生存期間、全奏効率において有意な改善を示し、忍容可能な安全性が確認された。
*国内未承認

ヤンセンの代表取締役社長クリス・フウリガンは、「RESONATE-2の結果に基づき、海外ガイドラインではイムブルビカ®は第1選択薬の1つとして推奨されています。国内においても、本日の追加適応の承認によってCLL/SLL患者さんにより一層の貢献ができることを期待しています」と述べている。

CLL,SLLとは

CLLは、Bリンパ球(白血球の一種)の腫瘍で、多くは緩徐に進行する。
SLLはCLLと同一疾患と定義されており、末梢血や骨髄への浸潤がなくリンパ節腫大を認めるものはSLLとされる3
いずれも高齢者に多く見られる希少疾患であり、化学療法のみでの治癒は難しく、再発・進行を繰り返す疾患。
日本におけるCLL/SLLの総患者数は白血病全体の1~2%4、約2,000人と報告されている5
一方、欧米では、白血病全体の20~30%を占める比較的頻度の高い白血病である6

イムブルビカ®について

イムブルビカ®は、1日1回経口投与の新しい作用機序を有するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤。
BTKは、B細胞の成熟と生存を制御する細胞内シグナル伝達に関与する重要なタンパク質で、本剤は、 このBTKを標的にすることで腫瘍細胞の生存シグナルを阻害し、増殖を抑制する。5,6,7

本剤は、Cilag GmbH International(ヤンセンファーマシューティカルズカンパニーの1社)と、アッヴィ社の傘下にあるファーマサイクリックス社が共同開発している。
ファーマサイクリックス社とヤンセン・バイオテック社が共同販売をしている米国を除く、その他の国と地域では、ヤンセンが販売する。

参考文献
1. イブルチニブの海外第Ⅲ相試験(社内資料PCYC-1115-CA 承認時評価資料)
2. Burger, J.A., et al.: N Engl J Med., 373, 2425-2437, 2015(承認時評価資料)
3. WHO分類(第4版)
4. Aoki R, et al.: Pathol Int 58: 174-182, 2008.
5. 厚生労働省: 平成23年患者調査 第97表.
6. Hallek M: Am J Hematol 90; 446-460, 2015

参照元:ヤンセンファーマ株式会社プレスリリース

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