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EGFR遺伝子変異陽性ステージ3A非小細胞肺がん患者に対する術後化学療法としてのEGFRチロシンキナーゼ阻害薬タルセバ、2年無病生存(DFS)率を統計学有意に延長する

この記事の3つのポイント
・EGFR陽性ステージ3A非小細胞肺がん患者対象の術後化学療法の第Ⅱ相試験
・タルセバの有効性をビノレルビン+シスプラチン併用療法と比較して検証した
・化学療法群と比べ、タルセバ群が2年無病悪生存期間を有意に延長

2018年8月24日、医学誌『The Lancet Respiratory Medicine』にてEGFR遺伝子変異陽性のステージ3A非小細胞肺がん患者に対する術後化学療法としての上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬であるエルロチニブ(商品名タルセバ;以下タルセバ)単剤療法の有効性を比較検証した第II相のEVAN試験(NCT01683175)の結果がTianjin Medical University Cancer Institute and Hospital・Dongsheng Yue氏らにより公表された。

EVAN試験とは、R0切除後の18歳から75歳のEGFR遺伝子変異陽性ステージ3A非小細胞肺がん患者(N=102人)に対して術後化学療法として1日1回タルセバ150mg単剤療法を投与する群(N=51人)、または21日を1サイクルとして1日目、8日目にビノレルビン25mg/m2+1日目にシスプラチン75mg/m2併用療法を投与する群(N=51人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として2年無病生存(DFS)率を比較検証した多施設共同の第II相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値33.0ヶ月(17.8-43.1ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である2年無病生存(DFS)率はタルセバ群81.4%(95%信頼区間:69.6%-93.1%)に対して化学療法群44.6%(95%信頼区間:26.9%-62.4%)、その差は36.7%(95%信頼区間:15.5%–58.0%)、タルセバ群で病勢進行または死亡(DFS)のリスクが統計学有意に減少した(P=0.0007)。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率はタルセバ群58%(N=29人)、化学療法群65%(N=28人)。グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はタルセバ群12%(N=6人)、化学療法群26%(N=11人)であった。なお、最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)はタルセバ群で皮膚障害、化学療法群で好中球数減少、骨髄抑制であり、また治療関連死亡した患者は1人も確認されなかった。

以上のEVAN試験の結果よりDongsheng Yue氏らは以下のように結論を述べている。”術後化学療法としてのタルセバ単剤療法は、化学療法に比べて2年無病生存(DFS)率を統計学有意に改善しました。以上の結果より、術後化学療法としてタルセバ単剤療法の可能性が示唆されましたが、全生存期間OS)の結果などさらなる検証が必要になります。”

Erlotinib versus vinorelbine plus cisplatin as adjuvant therapy in Chinese patients with stage IIIA EGFR mutation-positive non-small-cell lung cancer (EVAN): a randomised, open-label, phase 2 trial(The Lancet Respiratory Medicine, DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30277-7)

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