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転移性メルケル細胞がん患者に対するファーストライン治療としてのバベンチオ単剤療法、6ヶ月奏効持続率(DOR)83%を示す

この記事の3つのポイント
・未治療メルケル細胞がん患者を対象としたバベンチオの有効性を検証した第Ⅱ相試験
・バベンチオ単剤療法二次治療以降の有効性は確認されていた
・今回、一次治療としてのバベンチオ単剤療法の奏効率など非常に優れていた

2018年9月13日、医学誌『JAMA Oncology』にてステージIV転移性メルケル細胞がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬であるアベルマブ(商品名バベンチオ;以下バベンチオ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第II相のJAVELIN Merkel 200(PART B)試験(NCT02155647)の結果がWeill Cornell Medical College・Sandra P. D’Angelo氏らにより公表された。

JAVELIN Merkel 200(PART B)試験とは、ステージIV転移性メルケル細胞がん患者(N=39人)に対するファーストライン治療として2週を1サイクルとして1日目にバベンチオ10mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ治療関連有害事象(TRAE)が発症するまで継続投与し、主要評価項目として奏効持続率(DOR;少なくとも6ヶ月以上の客観的奏効を継続)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間PFS)、安全性などを検証した国際多施設共同単アームの第II相試験である。

本試験が実施された背景として、転移を有するメルケル細胞がん患者の病勢進行スピードは早く、予後不良のためである。過去の臨床試験の結果によれば、転移性メルケル細胞患者に対するファーストライン治療としての標準化学療法の無増悪生存期間(PFS)中央値は3.1ヶ月から4.6ヶ月程であり、この治療成績を改善する標準治療の開発が必要とされていた。

そこで、JAVELIN Merkel 200(PART A)試験において転移性メルケル細胞患者に対する2次治療ライン以降の治療としてバベンチオ単剤療法の有効性が確認されていたことから、ファーストライン治療としてのバベンチオ単剤療法の有効性が本試験で検証されることになった。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は75歳(47-88歳)。性別は男性76.9%(N=30人)、女性23.1%(N=9人)。ECOG Performance Statusはスコア0が79.5%(N=31人)、スコア1が20.5%(N=8人)。原発巣部位は皮膚100.0%(N=39人)。化学療法の前治療歴はあり12.8%(N=5人)。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である6ヶ月奏効持続率(DOR)は83%(95%信頼区間:46%-96%)を示した。なお、3ヶ月奏効持続率(DOR)は93%(95%信頼区間:61%-99%)を示した。

副次評価項目である6ヶ月客観的奏効率(ORR)は71.4%(95%信頼区間:41.9%-91.6%)を示した。なお、3ヶ月客観的奏効率(ORR)は62.1%(95%信頼区間:42.3%-79.3%)を示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)を発症した患者は71.8%(N=28人)、その内訳として倦怠感23.1%(N=9人)、インフュージョンリアクション23.1%(N=9人)、無力症7.7%(N=3人)、リパーゼ上昇7.7%(N=3人)、ALT上昇7.7%(N=3人)であった。

また、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)を発症した患者は20.5%(N=8人)、インフュージョンリアクション2.6%(N=1人)、リパーゼ上昇2.6%(N=1人)、ALT上昇2.6%(N=1人)、血中CPK上昇2.6%(N=1人)などであった。

以上のJAVELIN Merkel 200(PART B)試験の結果よりSandra P. D’Angelo氏らは以下のように結論を述べている。”過去の臨床試験で報告された通り、転移性メルケル細胞がん患者に対するファーストライン治療としてのバベンチオ単剤療法の奏効率、奏効持続率は非常に優れておリました。本試験の結果は、米国、欧州においてバベンチオが転移性メルケル細胞がんにおける標準治療として確立するための後押しになるでしょう。”

Efficacy and Safety of First-line Avelumab Treatment in Patients With Stage IV Metastatic Merkel Cell Carcinoma A Preplanned Interim Analysis of a Clinical Trial(JAMA Oncol. 2018;4(9):e180077. doi:10.1001/jamaoncol.2018.0077)

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