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治療歴のある進行性子宮頸がんを患者に対するキイトルーダ単剤療法、客観的奏効率12.2%を示す

この記事の3つのポイント
・治療歴のある進行性子宮頸がん患者が対象の第2相試験
キイトルーダ単剤療法の有効性安全性を検証
・持続的な抗腫瘍効果を示し、忍容性も問題なかった

2019年4月3日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて治療歴のある進行性子宮頸がんを患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のKEYNOTE-158試験(NCT02628067)の結果がYonsei University College of MedicineのHyun Cheol Chung氏らにより公表された。

KEYNOTE-158試験とは、治療歴のある進行性子宮頸がんを患者(N=98人)に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を2年間または病勢進行するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率ORR)、副次評価項目として安全性を検証した国際多施設共同オープンラベルの第2相試験である。

本試験が実施された背景として、進行性子宮頸がん患者に対する1次治療としてシスプラチンベースの化学療法が実施され一時的には奏効を示すが、その効果は持続的ではない。以上の背景より、多種多様ながんに対してその有用性が確認されている抗PD-1抗体薬であるキイトルーダの有効性、安全性が検証された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は46.0歳(24-75歳)。ECOG Performance Statusはスコア0が34.7%、スコア1が65.3%。FIGO分類はステージIIが1.0%、ステージIIIBが4.1%、ステージIVAが1.0%、ステージIVBが93.9%。PD-L1ステータスは陽性83.7%、陰性15.3%、不明1.0%。

がんの組織学的分類は腺がん5.1%、腺扁平上皮がん1.0%、扁平上皮がん93.9%。前治療歴は1レジメンが30.6%、2レジメンが34.7%、3レジメンが16.3%、4レジメンが10.2%、5レジメン以上が4.1%。前治療歴の種類はパクリタキセルが86.7%、シスプラチンが80.6%、カルボプラチンが67.3%、ベバシズマブが41.8%、トポテカンが17.3%。

以上の背景を有する患者に対する本試験の追跡期間中央値10.2ヶ月(0.6-22.7ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は12.2%(95%信頼区間:6.5-20.4%)を示し、その奏効の内訳としては完全奏効(CR)3人、部分奏効(PR)9人であった。また、治療歴のある患者群(N=77人)における客観的奏効率(ORR)は14.3%(95%信頼区間:7.4-24.1%)を示し、その奏効の内訳としては完全奏効(CR)2人、部分奏効(PR)9人であった。

その他評価項目である無増悪生存期間PFS)中央値は2.1ヶ月(95%信頼区間:2.0-2.2ヶ月)を示し、6ヶ月無増悪生存率(PFS)は25.0%。全生存期間OS)中央値は9.4ヶ月(95%信頼区間:7.7-13.1ヶ月)を示し、6ヶ月全生存率(OS)は75.2%、12ヶ月全生存率(OS)は41.4%を示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は65.3%、グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は12.2%を示した。なお、最も多く患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は甲状腺機能低下症10.2%、食欲減退9.2%、倦怠感9.2%、下痢8.2%、AST上昇7.1%、無力症7.1%、発熱7.1%、甲状腺機能亢進症7.1%。また、最も多く患者で確認されたグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)はALT上昇3.1%、AST上昇2.0%。全グレードの免疫関連有害事象(irAE)発症率は甲状腺機能低下症11.2%、甲状腺機能亢進症9.2%、インフュージョンリアクション3.1%、大腸炎2.0%、肝炎2.0%、重症皮膚障害2.0%であった。

以上のKEYNOTE-158試験の結果よりHyun Cheol Chung氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のある進行性子宮頸がんを患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、持続的な抗腫瘍効果を示し、忍容性も問題ありませんでした。”

Efficacy and Safety of Pembrolizumab in Previously Treated Advanced Cervical Cancer: Results From the Phase II KEYNOTE-158 Study(Journal of Clinical Oncology Published online April 03, 2019.)

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