・切除可能胃または胃食道接合部腺がん患者が対象の第2/3相試験
・ドセタキセル+オキサリプラチン+フルオロウラシル/ロイコボリン併用療法の有効性・安全性を比較検証
・ECF/ECX群に対して死亡のリスクを23%統計学有意に改善した
2019年4月12日、医学誌『The Lancet』にて切除可能胃または胃食道接合部腺がん患者に対する周術期化学療法としてのドセタキセル+オキサリプラチン+フルオロウラシル/ロイコボリン併用療法(FLOT)の有効性、安全性を比較検証した第2/3相のFLOT4試験(NCT01216644)の結果がInstitute of Clinical Cancer ResearchのSalah-Eddin Al-Batran氏らにより公表された。
FLOT4試験とは、切除可能胃または胃食道接合部腺がん患者に対してドセタキセル50mg/m2+オキサリプラチン85mg/m2+フルオロウラシル2,600mg/m2/ロイコボリン200mg/m2併用療法(FLOT)を術前4サイクル、術後4サイクル投与する群、またはエピルビシン50mg/m2+シスプラチン60mg/m2+5-FU200mg/m2またはカペシタビン1,250mg/m2併用療法(ECF/ECX)を術前3サイクル、術後3サイクル投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)などを比較検証した第2/3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はFLOT群50ヶ月(95%信頼区間:38.33ヶ月-未到達)に対してECF/ECX群35ヶ月(95%信頼区間:27.35-46.26ヶ月)を示し、FLOT群で死亡(OS)のリスクを23%(HR:0.77,95%信頼区間:0.63-0.94)統計学有意に改善した。
一方の安全性として、重篤な有害事象(SAE)発症率はFLOT群27%(N=97人)に対してECF/ECX群27%(N=96人)と同等であった。また、有害事象(AE)による死亡率もFLOT群1%(N=2人)に対してECF/ECX群1%(N=2人)と同等であった。
以上のFLOT4試験の結果よりSalah-Eddin Al-Batran氏らは以下のように結論を述べている。”切除可能胃または胃食道接合部腺がん患者に対する周術期化学療法としてのFLOT療法は、ECF/ECX療法に比べて全生存期間(OS)を改善しました。”