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高齢または強力な治療が適応でない進行性胃食道がん患者に対する低用量オキサリプラチン+カペシタビン併用療法、無増悪生存期間で非劣勢を示す

この記事の3つのポイント
・高齢または強力な治療が適応でない進行性胃食道がん患者が対象の第3相試験
・低用量オキサリプラチン+カペシタビン併用療法の有効性安全性
・通常用量に比べて治療関連有害事象の発症率は減少、無増悪生存期間の改善度も非劣勢だった

2019年5月15日、ASCO News Releaseにて高齢または強力な治療が適応でない進行性胃食道がん患者に対する低用量オキサリプラチン+カペシタビン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のThe GO2試験の結果がThe University of EdinburghのPeter S Hall氏らにより公表された。この研究成果は、2019年5月31日から6月4日まで米国シカゴで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO 2019)で発表される。

The GO2試験とは、高齢または強力な治療が適応でない進行性胃食道がん患者(N=514)に対して21日を1サイクルとして1日目にオキサリプラチン130mg/m2+1~21日目に1日2回カペシタビン625mg/m2併用療法を投与する群(レベルA)、レベルAの投与薬、投与スケジュールで80%の用量で投与する群(レベルB)、レベルAの投与薬、投与スケジュールで60%の用量で投与する群(レベルC)に1対1対1の割合で振り分け、主要評価項目として安全性、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間OS)、安全性などを比較検証した第3相試験である。

本試験が実施された背景として、進行性胃食道がん患者の多くは高齢または強力な治療が適応でない。そのためこのような患者に対する治療法の開発が必要であり、別の臨床試験ではエピルビシン+オキサリプラチン+カペシタビン併用療法、カペシタビン単剤療法に比べてオキサリプラチン+カペシタビン併用療法が有効性に優れていることが確認されている。以上の背景より、本患者に対するオキサリプラチン+カペシタビンの至適用量が本試験で確認された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。

年齢中央値
レベルA群=76歳
レベルB群=76歳
レベルC群=77歳

Performance Statusスコア2以上の患者
レベルA群=31%
レベルB群=32%
レベルC群=31%

強力な治療が適応でない患者
レベルA群=86%
レベルB群=82%
レベルC群=76%

以上背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。無増悪生存期間(PFS)中央値はレベルA群4.9ヶ月に対してレベルB群4.1ヶ月に対してレベルC群4.3ヶ月、レベルAに対するレベルBの非劣勢(HR:1.09,95%信頼区間:0.89-1.32)、レベルAに対するレベルCの非劣勢(HR:1.10,95%信頼区間:0.90-1.33)を示した。なお、全生存期間(OS)中央値はレベルA群7.5ヶ月に対してレベルB群6.7ヶ月に対してレベルC群7.6ヶ月を示した。

一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はレベルA群56%に対してレベルB群56%に対してレベルC群37%、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はレベルCで他の群に比べて低率であった。

以上のThe GO2試験の結果よりPeter S Hall氏らは以下のように結論を述べている。”高齢または強力な治療が適応でない進行性胃食道がん患者に対する低用量オキサリプラチン+カペシタビン併用療法は、通常用量に比べてグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は減少し、無増悪生存期間(PFS)の改善度にも非劣勢を示しました。”

Low-Dose Chemotherapy Regimen Effective in Older and Frail Patients With Gastroesophageal Cancer(ASCO News Releases, FOR IMMEDIATE RELEASE May 15, 2019)

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