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【オンコロメルマガ】がんと認知症について[Vol.122]

オンコロの福井です。

私はオンコロの業務に携わる前は、認知症や軽度認知障害(MCI)関連の被験者募集やサービスに関わっていた時期がありました。

今回はがんと認知症について書こうと思います。

がんも認知症も高齢になるにつれて罹患率が上がります。
「がん患者さんは認知症になりにくい」という研究結果の記事を目にしたことがありますが、全く併発しないというわけではありません。

認知症が治療に及ぼす影響には様々なものがあります。
主な内容として、以下のようなものがあります。

せん妄など合併症の増加
・セルフケア、服薬管理、疼痛コントロール、身体機能など、身体管理能力全般の低下
・介護負担による家族の身体的、経済的負担の増加

主な内容は皆さんもご存じかと思いますが、皆さんに知っていただきたいのは、「意思決定」についてです。
もし、がんの治療時に認知症になってしまったとしても、治療をする患者さんの意思は尊重されるべきです。

しかし、認知症の診断がつくと本人には全く意思決定能力や判断能力がなく、本人は何もわからない状態だと誤解してしまい、家族と医療者のみで治療方針について決めてしまう危険性があります。

また、がんを治療している病院で認知症と気付かれずに治療を開始し、予定通り進まないことで発症に気付かれるケースもあります。

もし、意思決定能力がある方であってもない方であっても患者さんにとってより良い選択や治療がなされるよう、この課題解決に向けて、様々な取り組みが行われています。

その中の一つに認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)があります。

認知症の人が住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けるために必要としていることに的確に応えていくことを旨として厚生労働省の政策として行われていますが、看護職員の方は、認知症への対応力を高める鍵となります。

そのため、既存の関係団体の研修に加え、広く看護職員が認知症への対応に必要な知識・技能を修得することができる研修の在り方について検討した上で、関係団体の協力を得ながら研修を実施しています。
(※すべての病院ではありません。)

また、治療開始時点での意思決定支援のプログラム開発や標準化も進められています。

少し認知症に関する話にフォーカスし過ぎたかもしれませんが、患者さんが納得のいく治療ができるような支援方法を今後も患者さん以外の方も知る必要があるなと感じています。

認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000064084.html

福井 澄恵

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