オンコロの福井です。
皆さんは「ロコモ」をご存知ですか?
ロコモ=ロコモティブシンドロームの略です。
骨・関節・筋肉などの運動器に何らかの障害が起こり、立つ、歩くといった運動機能が低下している状態のことです。
ロコモが悪化してしまうと、骨粗鬆症や変形性関節症、更に悪化すると脊柱管狭窄症など神経障害の発症や自立した生活が送れなくなり、最終的には寝たきり状態=要介護状態になる可能性もあります。
健康寿命を延ばすには、ロコモ予防は必要不可欠です。
なぜオンコロでロコモの話を?と思ったかもしれませんが最近では、「がんロコモ」という言葉も耳にするようになったからです。
がん患者さんがなる「がんロコモ」には、大きく分けて3つあります。
1) “がん”による運動器の問題
骨や筋肉にがんが発生、または骨転移した場合、痛みや骨折、神経麻痺などが起こり、ロコモになるケースがあります。
2) がん“治療”による運動器の問題
がん治療や薬物治療の副作用によって、骨・関節・神経に障害が出ることで安静にする時間や寝たきりの時間が長くなることで、骨密度・体力・筋力低下が進むことでロコモになることがあります。
具体例として、抗がん剤誘発末梢神経障害、ホルモン療法やステロイド剤大量投与による骨粗鬆症などがあります。
3) がんと“併存する運動器疾患”の進行
膝痛や腰痛、加齢による骨粗鬆症など、がんが直接的原因ではないですが通常と同じようなロコモにがん患者さんがなるケースもあります。
QOLを維持・改善・向上しつつ、がんとともに生きていくにはロコモ対策は重要です。
予防期・周術期・維持期・緩和期など、ご自身のがんの状態に合わせてリハビリテーションを積極的に行うこと、また、ご自身で運動が可能な状態の方は、ロコトレ(片脚立ち、スクワットなど)など運動習慣を設けることや規則正しい生活、食習慣を日々心がけ、予防・改善に努めていただければ幸いです。
福井 澄恵