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【メルマガコラム】米国臨床腫瘍学会(ASCO)関連ニュース[vol.39]

コラム

オンコロの可知です。
6月はコラムを書いている暇がなく(いいわけですみません)、メルマガが滞っていました。反省するのと同時に、他のメンバーにも書いてもらうか悩むところです・・・

さて、6月上旬に米国臨床腫瘍学会(ASCO)が開催され、1営業日1記事を目標に掲載してきました。現在19記事掲載しており、7月中旬くらいまでは記事アップし続ければと思っています。

そんなASCO関連の情報ですが、以下のような記事も書いています。ASCOだけではなく、医療情報全般的に言えることですので、ぜひご参照頂ければと思うとことです。

ASCO関連ニュースを読む際に注意しなければならない7つのこと
https://oncolo.jp/blog/20170612

また、先週、Healsyという治験情報サイトを譲り受け、管理者だった方はオンコロのライターとして、様々な記事を量産頂いています。
科学根拠に基づいた治験情報サイト「Healsy」を譲り受けました。
https://oncolo.jp/blog/20170622

さて、最近注目しているNeurotrophic tyrosine kinase(NTRK;エヌラック)という超希少変異です。NTRK1、NTRK2、NTRK3と3種類の遺伝子があり、遺伝子変異が起こることで、発がんします。

興味を持ったのは、LCスクラムジャパンに掲載されたEntorectinbの臨床試験です。 http://epoc.ncc.go.jp/scrum/lc_scrum/related/ntrk123_ros1_alkstartrk-2.php

このページにリンクされている詳細ページにこの薬剤のパフォーマンスが記載されていますが、それを見て奏効率の高さに驚いたのがきっかけでした。

そして、先日のASCOでLarotectinibのデータが発表されましたが、それについても驚きました。これは他のライターさんと手分けして記事にしてます。

年齢、がん種に関係なく効果が期待できる世界で初めての経口分子標的薬 Larotrectinib(LOXO-101) ASCO2017
https://oncolo.jp/news/170628y01

ただし、変異割合が非常に低いようで、非小細胞肺がんで0.1%~3.3%、大腸がんで0.5%~1.5%、肝内胆管がんで3.6%、甲状腺乳頭がんで2.9%~14.5%、頭頸部扁平上皮がんで0.2%、悪性黒色腫/Spitz腫瘍/Spitz母斑様黒色腫で16.4%、膠芽腫で1.1%~2.5%、星細胞腫で3.1%、小児悪性神経膠腫で7.1%、軟部腫瘍で0.6%となります。

一方、小児性繊維腫瘍で90.9%、唾液腺乳腺相似分泌がんで100%、乳腺分泌がんで92%と高い割合となりますが、これらのがんが既に超希少がんとなります。
(この変異情報は「腫瘍内科」という雑誌の第19巻第6号を参考にしています)

これに対する分子標的薬が以下のとおり開発中ですが、NTRKのみを標的にしてはおらず、マルチチロシンキナーゼ多いようです。

Entorectinb(NTRK1/2/3、ALK、ROS1)
Larotectinib(NTRK1/2/3)
Cabozantinib(NTRK1、RET、ROS1、MET、ALK)
Merestinib(MSTR、FLT3,AXL、MERTK、TEK、RO1、NTRK1/2/3、DDR1/2、MKNT1/2)
Alteiratinib(NTRK1/2、MET、AXL、RET、DDR2、KDR、PDGFRA、KIT)
TSR-011(NTRK1、ALK)
DS-6051a(NTRL\K1/2/3、ROS1)
PLX7486(NTRK1/2/3、FMS)

これらの薬剤のうち、Entorectinb、Larotectinibは臨床試験中(準備中)、DS-6051aは臨床試験実施中ですが募集終了となっているようです。

いずれもバスケットスタディといい、NTRK変異が認められればがん種問わず参加できるかのうせいがありますので、もし、気になる方はスクラムジャパンのHPに医療機関がわかるようになっていますので、問い合わせてみるのもいいかもしれません。
LCスクラム
http://epoc.ncc.go.jp/scrum/lc_scrum/trial.php
GIスクリーン
http://epoc.ncc.go.jp/scrum/gi_screen/trial.php

がん情報サイト「オンコロ」責任者 可知健太

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