新たに診断された進行卵巣がん患者に対してプラチナベースの標準化学療法に維持治療としてオラパリブ投与が有効であることが示された。
SOLO1試験 #LBA7
進行性卵巣がんと新たに診断された多くの患者は、手術およびプラチナベースの化学療法による標準治療後3年以内に再発を来す。
再発卵巣がんにおける経口ポリ(アデノシン二リン酸-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤オラパリブの臨床効果は十分に確立されているが、新たに診断された進行卵巣がんにおける維持療法としてのオラパリブの有効性は検証されていない。
10月19日から23日までドイツ・ミュンヘンで開催されているESMO2018で新たに診断された進行卵巣がんにおける維持療法としてオラパリブの有効性を検証した多施設共同無作為化二重盲検第3相試験の結果が発表された。
新たに診断された進行卵巣がん(病期ステージIII期またはIV期)で高悪性度漿液性または子宮内膜性卵巣がん患者に標準治療のプラチナベース化学療法に対し、完全または部分的な臨床的効果を認め、BRCA1、BRCA2、またはその両方(BRCA1/2)の変異を有する卵巣がん、原発性腹膜がんまたは卵管がん(またはそれらの組合せ)を含む患者を、2:1の割り合いで無作為に、オラパリブ錠剤(1日2回300mg)またはプラセボに割り付けられた。
無作為化を受けた391人の患者のうち、260人がオラパリブ群、131人がプラセボ群。
合計388人の患者が生殖細胞系BRCA1/2突然変異が確認され、2人の患者は体細胞性BRCA1/2突然変異が確認された。
経過観察期間中央値は41ヶ月、プラセボよりもオラパリブの方が病気の進行または死亡の危険性が有意に70%低かった(ハザード比=0.30)。
新たに診断された進行卵巣がんおよびBRCA1/2変異を有する患者において、オラパリブの維持療法の使用は病勢進行または死亡のリスクを70%減少させ、有効な治療の選択肢の可能性が示された。