進行胆道がん ゲムシタビン/シスプラチン/S-1併用療法(GCS療法)生存期間を有意に延長 #615O
10月19日から23日までドイツ・ミュンヘンで開催されているESMO2018で、進行胆道がんに対して、ゲムシタビン+シスプラチン+S-1併用療法(GCS療法)がゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GC療法)よりも有効であることが明らかとなった。
フェーズ3試験KHBO1401-MITSUBAの結果、GCS療法が有意に全生存期間(OS)を延長することが示され、GCS療法が進行胆道がんに対する新たな標準治療となった。
KHBO1401-MITSUBA試験は日本国内39施設が参加し、化学療法未治療で、パフォーマンスステータス0-2の進行胆道腺がん患者が対象。
患者は、無作為にGCS療法群とGC療法群に割り付けられ、GCS療法群には、2週間を1サイクルとして、1日目にゲムシタビン1000mg/㎡、シスプラチン25mg/㎡、1日目から7日目まで1日2回40mgから60mgのS-1が投与された。
GC療法群には、3週間を1サイクルとして、1日目と8日目にゲムシタビン1000mg/㎡とシスプラチン25mg/㎡が投与された。
両群とも計画された治療は24週間続けられた。
主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は、無増悪生存期間、奏効率、副作用の発現。
この臨床試験に2014年7月から2016年2月までに各群123人が登録され、GCS療法群の119人、GC療法群の122人が治療を受けた。
GCS療法群でGC療法群よりも転移性がん患者が少し多く、パフォーマンスステータス 2の患者は、GC療法群の2人のみ。
試験の結果、GCS療法群の全生存期間中央値は13.5カ月、1年全生存率が59.4%、2年全生存率が28.5%、GC療法群の全生存期間中央値は12.6カ月、1年全生存率が53.7%、2年全生存率が22.0%。
GCS療法群が死亡リスクを21%有意に減少させた(ハザード比=0.791)。
無増悪生存期間中央値は、GCS療法群が7.4カ月6ヶ月無増悪生存率61.8%、1年無増悪生存25.2%、GC療法群の無増悪生存期間中央値は5.5カ月、6ヶ月無増悪生存率47.2%、1年無増悪生存率16.3%。
GCS療法群が病勢進行または死亡リスクを25%有意に減少させた(ハザード比=0.75)。
奏効率はGCS療法群41.5%、GC療法群15.0%で有意にGCS療法群が高かった。GCS群で評価対象となった94人のうち3人、GC群で評価対象となった1人で完全奏効が認められた。また病勢制御率も、GCS療法群79.8%、GC療法群41.5%で有意にGCS療法群が高かった。
副作用は、GCS療法群で下痢、口内炎、皮疹が多く、GC群で感覚神経障害が多く認められた。
上記以外は、両群間で有意差はなかった。
フェーズ3試験KHBO1401-MITSUBAの結果、GCS療法が有意に全生存期間(OS)を延長することが示され、胆道がんに対する新たな標準治療となった。