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胆道がんとは(疾患情報)

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胆道がんとは

胆道がんとは胆汁が通る管に発生する胆管がん、胆汁をためておく袋状の臓器に発生する胆のうがん、胆汁の出口で十二指腸につながる部分に発生する乳頭部がんの3つに分けられます。

胆道は肝臓で作られる消化液である胆汁の通り道の総称です。胆汁は、肝臓の中を通る肝内胆管を経て、肝臓の外で合流する肝門部から乳頭部までの肝外胆管を通って十二指腸に流れ込みます。肝外胆管の途中でつながっている胆のうには、胆汁が一時的に貯められていて、脂肪の分解と吸収に重要な役割を果たします。

また、がん細胞のタイプで分類すると、胆道がんのほとんどは腺がんです。腺がんは胃がん、肺がんなどにも多くみられ、がんの中で最も多いタイプです。まれですが、神経内分泌腫瘍扁平上皮がん、未分化がんといった特殊なタイプの胆道がんもあります。

胆管の上皮にできる胆管がんには肝外胆管がん、肝内胆管がんがあり、肝外胆管がんはさらに肝門部領域胆管がん、遠位胆管がんに分けられます。肝内胆管がんは胆肝細胞がんとも呼ばれ、肝細胞がんと同じ原発性肝がんの括りに入っています。

胆道がんは日本で増加傾向にあり、年間約2万人以上が新たに診断され、罹患者数はがん全体の数パーセントを占めています。男性では9番目、女性では7番目に患者数の多いがんです。また、50歳代から増え始めて70歳代、80歳代の高齢者に多く、胆管がんと乳頭部がんは男性、胆のうがんは女性に若干多い傾向がみられます。2012年の胆道がん死亡者数は18209例でした。

米国や欧州などと比べ日本を含む東アジアで多く発生しています。人種差や性差でなぜ発症率に差があるのかは不明ですが、胆石、胆のう炎、胆管炎、潰瘍性大腸炎、クローン病などの人は胆道がんにもなりやすいことがわかっています。

なお、胆管がんの一部は、印刷業務で使われている化学物質ジクロロメタン、ジクロロプロパンを長期間吸い込んだことが原因とされています。胆道がんの患者さんの多くは、右上腹部やみぞおちの痛み、眼球や皮膚が黄色くなる黄疸、白っぽい便などの自覚症状によってがんが発見されています。

全身倦怠感、食欲不振、体重減少、発熱といった症状が出る人もいます。胆のうがんで胆石や胆のう炎を併発している人は、早期のがんでも強い痛みを感じたり発熱したりすることがあります。

胆管がんの人の9割は最初に黄疸が出ています。黄疸は、胆汁の通り道ががんでふさがれ、行き場を失った胆汁が血液中に逆流するために起こります。胆汁中にある黄色の色素ビリルビンが血液中に増加して、眼球や皮膚が黄色くなるのです。

胆道がんのリスク因子

胆管がんの原因となり得るリスク因子は、膵胆管合流異常、原発性硬化性胆管炎、肝内胆石などです。一方で、胆管がんはジクロロメタン、ジクロロプロパンという印刷業務で使われる化学物質を長期間吸い込むことが原因となり得ることも指摘されています。

胆のう癌のリスク因子は膵胆管合流異常の他、胆のうポリープ、肥満、高脂血症、メタボリックシンドロームなどが挙げられていますが、乳頭部がんのリスク因子ははっきりしていません。

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