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膀胱がんのステージ(病期)
膀胱がんの病期は腫瘍の深達度と広がり方、リンパ節やほかの臓器への転移の有無によって、0a、Ois~Ⅳ期の6段階に分類されます。治療法は表在性がん、上皮内がん、浸潤性がん、転移がんのそれぞれで変わってきます。病期(ステージ)は、がんの進行度を表し治療の見通しをみる指標です。
膀胱がんの病期は、がんの形と膀胱の中での広がり方、周囲のリンパ節へ広がっているかどうか、ほかの臓器転移の有無によって、0a期から、0is期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期まで6段階に分けられます。数字が大きくなるほど進行した状態で、0a期とⅠ期はがんが筋層まで到達していない表在性がんです。
0is期は上皮内がん、Ⅱ期、Ⅲ期はがんが筋層まで達している浸潤性がん、Ⅳ期は骨盤壁、腹壁まで到達しているか、リンパ節やほかの臓器まで広がっている転移がんです。がんの進行度と悪性度(グレード)は膀胱粘膜生検で採取した組織を顕微鏡でみて初めて確定します。
膀胱がんの場合には、治療方針や治療の見通し、再発の危険性などは、表在性がん、上皮内がん、浸潤性がん、転移がんのどれに当てはまるかによって大きく変わってきます。ですから、治療を受けるときには、病期だけでなく、自分のがんがどのタイプなのかを知っておくことが大切です。
膀胱がんの治療法
治療法には、手術、放射線療法、薬物療法の3つがあります。多くの患者さんの場合、手術とBCG(ウシ型弱毒結核菌)療法や抗がん剤治療といった薬物療法を組み合わせて行うのが標準治療です。
標準治療は、国内外のたくさんの臨床試験の結果をもとに検討され、専門家の間で合意が得られている現時点で最善の治療法です。日本泌尿器科学会では、「膀胱癌診療ガイドライン」を作成して、膀胱がんの治療を標準化しています。
表在性がん、上皮内がんでは、まず、経尿道的膀胱腫瘍切除術と呼ばれる生検を兼ねた内視鏡治療で病巣を取り除き、その後、再発を予防するために薬物療法を行います。薬物療法の内容や頻度は、がんのタイプ、悪性度、腫瘍の数や大きさなどによって異なります。
浸潤性がんは、生検を兼ねた経尿道的膀胱腫瘍切除術を行うだけではなく、膀胱全部とその周囲の臓器を切除する手術が標準治療で、場合によっては、手術の前か後に抗がん剤治療を行います。
転移がんの場合は、基本的には薬物療法で進行を抑え、できるだけ今の生活を維持することを目標にします。わからないことや不安なことは担当医や看護師に相談し、納得して治療を受けるようにしましょう。
本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが2015年1月に出版した「もっと知ってほしい 膀胱がんのこと」より抜粋・転記しております。