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腎盂・尿管がんの再発・転移

目次

再発・転移とは

再発

がんの再発とは、手術や抗がん剤などの治療を受け、がんであると判断できるような大きさのがんがなくなった後で、がんが再び発生することを指します。腎盂・尿管がんの治療後に見られるがんの再発は、膀胱内でがんが再発するという膀胱内再発と、最初のがんとおなじところやそのすぐ近くで再発するという局所再発の2つに大別することができます。(※遠隔転移を、再発と表現することもあります)

膀胱内再発は、腎盂・尿管がんの治療後に、がんが膀胱内で再発するというものです。膀胱内で再発したがんは、きちんと通院していれば、多くは早期の段階で発見されますので、大抵は内視鏡手術で治すことができます。

局所再発は、最初のがんと同じところや、そのすぐ近くでがんが再発するというものです。この場合は、再度手術で取り除くのは難しい(または意味が無い)場合がほとんどですので、化学療法を行うなど手術以外のアプローチを試みることになります。

転移

がんの転移とは、がん細胞が血液やリンパ液によって別の臓器やリンパ節に運ばれ、運ばれた先で成長し、新たにがんの病巣となることを指します。もし手術でがんが発生している部位を取り除いていたとしても、切除前にがん細胞が別の臓器やリンパ節に運ばれており、手術時には見つけることができなかった場合、手術後に転移が判明することがあります。

腎盂・尿管がんでは、腎盂・尿管がんがほかの臓器やリンパ節に転移していないと診断された場合は、手術によってがん発生部位を含む腎臓や尿管を取り除きます。しかし、診断時や腎盂・尿管がんの手術後の経過観察において、ほかの臓器やリンパ節にがんが転移していることが判明すれば、抗がん剤を用いた化学療法が選択されます。

抗がん剤を用いた腎盂・尿管がんの治療法には、おもにGC療法が行われます。以前は、MVAC療法といって、メトトレキサート、ビンブラスチン硫酸塩、アドリアマイシンシスプラチンの4種類の薬剤を用いる化学療法が行われていました。しかし、現在では効果が同等で副作用の少ないGC療法が行われます。GC療法では、ゲムシタビン塩酸塩とシスプラチンという2種類の薬剤を利用します。

再発・転移した場合には

がんが再発・転移すると、さまざまな症状が出てきます。肺に転移すれば、胸水がたまって息苦しくなったり、肝臓に転移すれば肝機能障害が出て倦怠感に悩まされたり、局所に大きな腫瘤が形成されれば、圧迫感や痛みが出ることもあります。尿路にがんが残ったままであれば、血尿が出るようになります。

そういった状況に対してできることとしては、化学療法(GC療法)です。その効果が乏しい場合には延命を期待できる治療はほとんど無いのが実情であり、症状をやわらげるために薬を調整したり、局所に放射線をかけて勢いを弱めたりといった、緩和療法を行うことになります。

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