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多発性骨髄腫の新薬ポマリスト(ポマリドミド)の治療を受ける前に知っておきたいこと

目次

多発性骨髄腫の新薬ポマリスト(ポマリドミド)について

多発性骨髄腫の治療薬はベルケイド(ボルテゾミブ)とレブラミドレナリドミド)が現在のところ標準治療とされています。

多発性骨髄腫という病気は治癒が難しく、その治療目的が延命であるだけに、できる限り治療効果が保証されたベルケイド(ボルテゾミブ)とレブラミド(レナリドミド)という薬剤をキードラッグとして、他の薬剤を組み合わせて治療を継続するのが一般的です。

しかし、ベルケイド(ボルテゾミブ)とレブラミド(レナリドミド)に対して効果不十分、つまり不耐性を示した後の治療が確立されていないことは多発性骨髄腫治療の課題の1つであります。この課題を

ポマリスト(ポマリドミド)

が解決する可能性はあります。ポマリスト(ポマリドミド)はレブラミド(レナリドミド)と同様にIMiDsと称され免疫調節薬の1つです。

その作用機序はサイトカイン産生調節作用、造血器腫瘍細胞に対する増殖抑制作用、血管新生阻害作用と考えられています。さらに、その投与方法は経口薬であるために注射をする必要がないのです。

ポマリスト(ポマリドミド)の薬剤概要

製品名

ポマリスト

一般名

ポマリドミド(pomalidomide)

用法用量

ポマリドミドとして 1 日 1 回 4mgを21日間連日経口投与した後、 7 日間休薬する。これを 1 サイクルとして投与を繰り返す。

効能効果

再発又は難治性の多発性骨髄腫

主な副作用

好中球減少症血小板減少症、発疹、白血球減少症、発熱、貧血、リンパ球減少症、便秘

製造承認日

2015年8月

薬価

ポマリストカプセル1mg:42624円
ポマリストカプセル2mg:50802円
ポマリストカプセル3mg:56294円
ポマリストカプセル4mg:60548円

ポマリスト(ポマリドミド)の作用機序

ポマリドミドはサイトカイン産生調節作用、造血器腫瘍細胞に対する増殖抑制作用、血管新生阻害作用等を有すると考えられているが、詳細な作用機序は解明されていない。

ポマリスト(ポマリドミド)の最新文献

1)Safety and efficacy of pomalidomide plus low-dose dexamethasone in STRATUS (MM-010): a phase 3b study in refractory multiple myeloma.

文献の概要

ボルテゾミブとレブラミドによる前治療を受けた再発難治性多発性骨髄腫患者さんに対してPD療法(ポマリドミド+デキサメタゾン)を投与して、その安全性有効性を検証した試験。その結果、682人の中で49.7%に好中球減少症、33.0%に貧血、24.1%に血小板減少が発症した。また有効性においては32.6%に奏効(ORR)が確認でき、PFS(無増悪生存期間)およびOS(全生存期間)中央値は4.6ヶ月および11.9ヶ月でした。

文献の出典

blood

文献の発刊日

2016年7月28日

2)Pembrolizumab, pomalidomide and low dose dexamethasone for relapsed/refractory multiple myeloma.

文献の概要

前治療として平均3回の治療を受けた再発難治性多発性骨髄腫患者さん48人に対してPPd療法(ペムブロリズマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン)を投与し、その有効性を検証した試験。その結果、PPd療法はCR(完全奏効)を8%含む60%の患者に奏効を示すことが判りました。

文献の出典

blood

文献の発刊日

2017年5月1日

ポマリスト(ポマリドミド)の口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

参考資料

1)セルジーン株式会社プレスリリース
2)日経メディカル
3)造血器腫瘍診療ガイドライン

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