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パラプラチン(カルボプラチン)

本ページは株式会社インテリムとオンコロで共同で作成しています。

目次

概要

一般名 カルボプラチン
商品名 パラプラチン
治験薬コード
一般名英語表記 Carboplatin
商品名英語表記 PARAPLATIN
種類 白金製剤
種類
投与経路 注射(点滴注射)
適応がん種 頭頸部癌、肺小細胞癌、睾丸腫瘍、卵巣癌、子宮頸癌、悪性リンパ腫、非小細胞肺癌、乳癌
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍,再発又は難治性ユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)

特徴

カルボプラチンは細胞障害薬という抗がん剤の一種で、その中でも白金製剤に分類されています。がん細胞が分裂する際に、細胞内の核の中で遺伝子本体であるDNAが合成・複製されます。

DNAの複製には、まずDNAの二本鎖をほどく必要があります。カルボプラチンを投与するとDNAの二本鎖に橋をかけるように結合して(架橋反応といいます)複製を阻害し、がん細胞を死滅させます。

効能・効果

頭頸部癌、肺小細胞癌、睾丸腫瘍、卵巣癌、子宮頸癌、悪性リンパ腫、非小細胞肺癌、乳癌
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍,再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)

用法及び用量

〈頭頸部癌,肺小細胞癌,睾丸腫瘍,卵巣癌,子宮頸癌,悪性リンパ腫,非小細胞肺癌〉
通常,成人にはカルボプラチンとして,1日1回300~400mg/m2(体表面積)を投与し,少なくとも4週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。なお,投与量は,年齢,疾患,症状により適宜増減する。

〈乳癌〉
トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びタキサン系抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人にはカルボプラチンとして,1日1回300~400mg/m2(体表面積)を投与し,少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。なお,投与量は,患者の状態により適宜減ずる。

〈小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍,再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法〉
6.1 神経芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍,再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
イホスファミドとエトポシドとの併用療法において,カルボプラチンの投与量及び投与方法は,カルボプラチンとして635mg/m2(体表面積)を1日間点滴静注又は400mg/m2(体表面積)を2日間点滴静注し,少なくとも3~4週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。
なお,投与量及び投与日数は疾患,症状,併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。
また,1歳未満もしくは体重10kg未満の小児に対して,投与量には十分配慮すること。

6.2 網膜芽腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
ビンクリスチン硫酸塩とエトポシドとの併用療法において,カルボプラチンの投与量及び投与方法は,カルボプラチンとして560mg/m2(体表面積)を1日間点滴静注し,少なくとも3~4週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。
ただし,36ヵ月齢以下の患児にはカルボプラチンを18.6mg/kgとする。
なお,投与量及び投与日数は疾患,症状,併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。

〈効能共通〉
本剤投与時,投与量に応じて250mL以上のブドウ糖注射液又は生理食塩液に混和し,30分以上かけて点滴静注する

重大な副作用

汎血球減少
あざができやすい、歯ぐきや鼻の粘膜からの出血、発熱、のどの痛み、皮膚や粘膜があおじろくみえる、疲労感、動悸、息切れ、気分が悪くなる、めまい、尿が赤い、寒気などの症状が現れる場合があります

骨髄抑制
発熱、寒気がする、のどが痛む、口の中に白い斑点ができる、手足に赤い点または赤いあざができる、出血しやすい(歯ぐきの出血・鼻血など)、水のような下痢、腹痛、口内炎、通常の生活をしていてだるさが続く、ちょっとした階段や坂で動悸や息切れを感じる、などの症状が現れる場合があります

ショック、アナフィラキシー
皮膚のかゆみ、蕁麻疹、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、目と口唇のまわりの腫れ、息苦しさ、動悸、ほてり、意識の混濁などの症状が現れる場合があります

間質性肺炎
理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空咳が出るなどの症状が現れる場合があります

急性腎不全
量が減る、ほとんど尿が出ない、一時的に尿量が多くなる、発疹、むくみ、体がだるいなどの症状が現れる場合があります

ファンコニー症候群
大きく深い呼吸、手のふるえ、筋力の減退、意識を失って深く眠りこむなどの症状が現れる場合があります

肝不全・肝機能障害
からだがだるくなる、発熱(38℃以上)、皮膚や白目が黄色くなる、食欲がなくなる、吐き気、嘔吐、腹痛、発疹、かゆみなどの症状が現れる場合があります

黄疸
白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿が褐色になるなどの症状が現れる場合があります

消化管壊死
嘔吐、腹がはる、下痢、血が混ざった便などの症状が現れる場合があります

消化管穿孔
吐き気、嘔吐、激しい腹痛などの症状が現れる場合があります

消化管出血・消化管潰瘍
血を吐く、吐き気、嘔吐、腹痛、血が混ざった便、黒色便、肛門から血液が出るなどの症状が現れる場合があります

出血性腸炎
激しい腹痛、血が混ざった便、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れる場合があります

偽膜性大腸炎
頻繁に下痢がおきる、粘性のある便、お腹が張る、腹痛、発熱、吐き気などの症状が現れる場合があります

麻痺性イレウス
お腹がはる、著しい便秘、腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れる場合があります

脳梗塞
手足の麻痺やしびれ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片方の足の急激な痛みや腫れなどの症状が現れる場合があります

肺梗塞
血の混じった痰、胸の痛み、息苦しいなどの症状が現れる場合があります

血栓塞栓症
手足の麻痺やしびれ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片方の足の急激な痛みや腫れなどの症状が現れる場合があります

心筋梗塞
息苦しい、急激に胸を強く押さえつけられた感じ、胸の痛み、冷や汗が出るなどの症状が現れる場合があります

うっ血性心不全
動くと息が苦しい、疲れやすい、足がむくむ、急に体重が増えた、咳とピンク色の痰などの症状が現れる場合があります

溶血性尿毒症症候群(HUS)
息切れ、意識の低下、白目が黄色くなる、考えがまとまらない、紫色のあざ、息苦しい、しびれ、尿量が減る、けいれん、判断力の低下、皮膚が黄色くなる、むくみ、尿が黄色い、貧血、発熱などの症状が現れる場合があります

急性呼吸窮迫症候群
息が苦しい、咳・痰が出る、呼吸が速くなる、脈が速くなるなどの症状が現れる場合があります

播種性血管内凝固症候群(DIC)
めまい、頭痛、鼻血、白目が黄色くなる、耳鳴り、歯ぐきの出血、息切れ、動悸(どうき)、青あざができる、紫色のあざ、皮膚が黄色くなる、尿が黄色いなどの症状が現れる場合があります

急性膵炎
急に胃のあたりがひどく痛む、吐き気、嘔吐(おうと)、お腹の痛みはのけぞると強くなり、かがむと弱くなる、急に激しく腰や背中が痛むなどの症状が現れる場合があります

難聴
聞こえづらい、ピーやキーンという耳鳴りがするなどの症状が現れる場合があります

白質脳症
歩行時のふらつき、口のもつれ、物忘れ、動作緩慢、頭痛、ぼんやりする、考えがまとまらない、ものが見えにくい、痙攣などの症状が現れる場合があります

腫瘍崩壊症候群
尿量が減る、脇腹の痛み、血尿、うっ血乳頭 視力の低下などの症状が現れる場合があります

球後視神経炎
眼の痛み、眼球を動かすと痛い、片眼または両眼の視力が突然下がるなどの症状が現れる場合があります

皮質盲
明暗がわからない、などの症状が現れる場合があります

溶血性貧血
顔色が悪い、疲れやすい、だるい、頭が重い、動悸(どうき)、息切れ、皮膚が黄色くなる、濃い色の尿が出るなどの症状が現れる場合があります

用法・用量

1、頭頸部がん,肺小細胞がん,睾丸腫がん,卵巣がん,子宮頸がん,悪 性リンパ腫、非小細胞肺がんに対する治療法
成人 1 日 1 回300~ 400mg/m(体表面積)投与します。
少なくとも 4 週間休薬し、これを 1 クールとし,投与を繰り返します。

2、乳がん
トラスツズマブまたは、タキサン系抗悪性腫瘍 剤との併用をします。1 日 1 回300~400mg/m(体表面積)少なくとも3週間休薬。これを 1 クールとし,投与を繰り返します。

3、小児悪性固形腫瘍
・神経芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍,再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫に対 する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
635mg/m(体表面積)を 1 日間点滴静注又は400mg/m(体表面積)を2 日間点滴静注し,少なくとも 3 ~ 4 週間休薬します。これを1 クールとし,投与を繰り返します。

・網膜芽腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
560mg/m(体表面積)を 1 日間点滴 2 静注し,少なくとも 3 ~ 4 週間休薬します。これを 1 クールとし,投与を繰り返します。

参考リンク

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/4291403A1

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