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BRCA遺伝子野生型再発高悪性度漿液性卵巣がん(HGSOC)に対するPrexasertib、客観的奏効率(ORR)33%を示す

2018年1月16日、医学誌『The Lancet Oncology』にてBRCA遺伝子野生型再発高悪性度漿液性卵巣がん(HGSOC)患者に対するPrexasertib(LY2606368)単剤療法有効性を検証した第II相試験(NCT02203513)の結果がNational Cancer Institute・Jung-Min Lee氏らにより公表された。

本試験は、BRCA遺伝子野生型再発高悪性度漿液性卵巣がん(HGSOC)患者(N=28人)に対して28日を1サイクルとして14日毎にPrexasertib 105 mg/m2単剤療法を病勢進行またはまで投与し、主要評価項目である治験医師判断により部分奏効(PR)+完全奏効(CR)の割合として定義された客観的奏効率ORR)を検証したシングルアームオープンラベルの第II相試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値64.0歳(58.0-69.5)、ECOG Performance Status スコア0の患者18%(N=5人)、1の患者79%(N=22人)。前治療歴中央値1レジメン7%(N=2人)、2レジメン18%(N=5人)、3レジメン以上75%(N=21人)、プラチナ系抗がん剤療法に対して耐性を示した患者75%(N=21人)。

上記背景を有する患者に対してPrexasertib単剤療法を投与した結果は下記の通りである。なお、腫瘍縮小効果の評価可能であった患者は28人の内24人、治療期間中央値7.4ヶ月(2.1-9.7)である。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は33%の患者(95%信頼区間:16–55%,N=8/24人)で部分奏効(PR)を達成した。なお、プラチナ系抗がん剤療法に対して耐性または治療後に増悪した32%の患者(95%信頼区間:13–57%,N=6/19人)が部分奏効(PR)、26%の患者(95%信頼区間:9–51%,N=5/19人)が病勢安定SD)を示した。

また、探索的データ解析において腫瘍マーカーであるCA-125を測定しており、評価可能であった50%の患者(N=12/24人)で治療開始時を基準としたCA-125値の50%以上の減少が確認されている。CA-125値の減少が確認された患者の内、92%(N=11人)の患者は部分奏効(PR)または病勢安定(SD)を6ヶ月以上維持していた。

24人の患者における無増悪生存期間PFS)中央値は7.4ヶ月(2.1-9.4ヶ月)で、79%(N=19人)の患者は病勢進行し、その他の患者は腫瘍増殖のために死亡が確認されている。

一方の安全性として、10%以上の患者で確認されたグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。好中球減少症93%(N=26人)、白血球減少82%(N=23人)、血小板減少症25%(N=7人)、貧血11%(N=3人)。なお、治療関連有害事象(TRAE)のために減量をした患者は7%(N=2人)で、その理由は1人がグレード4の好中球減少症、もう1人がグレード3の貧血によるものである。治療関連有害事象(TRAE)のために死亡に至った患者は確認されなかった。

以上の第II相試験の結果よりJung-Min Lee氏らは以下のような結論を述べている。”BRCA遺伝子野生型再発高悪性度漿液性卵巣がん(HGSOC)患者さんに対してPrexasertib単剤療法は有望な治療選択肢になるでしょう。特に、プラチナ製剤抗がん剤療法に対して再発難治性を示した患者19人の内11人に対して病勢安定(SD)以上の奏効が確認された結果は期待できるでしょう。”

Prexasertib, a cell cycle checkpoint kinase 1 and 2 inhibitor, in BRCA wild-type recurrent high-grade serous ovarian cancer: a first-in-class proof-of-concept phase 2 study(The Lancet Oncology, DOI: https://doi.org/10.1016/S1470-2045(18)30009-3)

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