・CELESTIAL試験とは、ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がん患者に対してプラセボ単剤療法に対するカボザンチニブ単剤療法の有効性を比較検証した第III相試験である
・CELESTIAL試験のサブグループ解析の結果、ネクサバールによる治療期間3ヶ月未満、3~6ヶ月、6ヶ月以上の3群全てにおいて全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)ともにプラセボ単剤療法よりもカボザンチニブ単剤療法で改善した
・CELESTIAL試験のサブグループ解析の結果、65歳未満、65歳以上の2群全てにおいて全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)ともにプラセボ単剤療法よりもカボザンチニブ単剤療法で改善した
2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、ソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)治療歴のある進行性肝細胞がん患者に対してカボザンチニブ単剤療法のプラセボに対する有効性を検証した第III相のCELESTIAL試験(NCT01908426)の2つのサブグループ解析の結果がUniversity of California San Francisco・Robin Kate Kelley氏ら、Humanitas Clinical and Research Center・Lorenza Rimassa氏らにより公表された。
CELESTIAL試験とは、ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がん患者(N=760人)に対してカボザンチニブ単剤療法を投与する群、またはプラセボ単剤療法を投与する群に2:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)などを比較検証した国際多施設共同二重盲検下の第III相試験である。
なお、この度の米国癌治療学会議(ASCO 2018)にて公表されたCELESTIAL試験のサブグループ解析では、前治療であるネクサバールによる治療期間、年齢別の全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)の結果であり、既に報告されてある通り全患者群における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)ともにプラセボ単剤療法よりもカボザンチニブ単剤療法で統計学有意に改善している。
本試験の1つ目のサブグループ解析の結果、ネクサバールによる治療期間3ヶ月未満、3~6ヶ月、6ヶ月以上の3群全てにおいて全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)ともにプラセボ単剤療法よりもカボザンチニブ単剤療法で改善しており、その詳細は下記の通りである。
ネクサバールによる治療期間3ヶ月未満群における全生存期間(OS)はカボザンチニブ群(N=89人)8.9ヶ月に対してプラセボ群(N=47人)6.9ヶ月(ハザード比0.72,95%信頼区間:0.47–1.10)、無増悪生存期間(PFS)は3.8ヶ月に対して1.8ヶ月(ハザード比0.35,95%信頼区間:0.23-0.52)。
ネクサバールによる治療期間3~6ヶ月群における全生存期間(OS)はカボザンチニブ群(N=98人)11.5ヶ月に対してプラセボ群(N=43人)6.5ヶ月(ハザード比0.65,95%信頼区間:0.43–1.00)、無増悪生存期間(PFS)は5.4ヶ月に対して1.9ヶ月(ハザード比0.37,95%信頼区間:0.25–0.56)。
ネクサバールによる治療期間6ヶ月以上群における全生存期間(OS)はカボザンチニブ群(N=143人)12.3ヶ月に対してプラセボ群(N=74人)9.2ヶ月(ハザード比0.82,95%信頼区間:0.58–1.16)、無増悪生存期間(PFS)は5.7ヶ月に対して1.9ヶ月(ハザード比0.48,95%信頼区間:0.35–0.67)。
本試験の2つ目のサブグループ解析の結果、65歳未満、65歳以上の2群全てにおいて全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)ともにプラセボ単剤療法よりもカボザンチニブ単剤療法で改善しており、その詳細は下記の通りである。
65歳未満群における全生存期間(OS)はカボザンチニブ群(N=240人)9.6ヶ月に対してプラセボ群(N=124人)7.7ヶ月(ハザード比0.81,95%信頼区間:0.62–1.05)、無増悪生存期間(PFS)は5.0ヶ月に対して1.9ヶ月(ハザード比0.45,95%信頼区間:0.35–0.57)。
65歳以上群における全生存期間(OS)はカボザンチニブ群(N=230人)11.1ヶ月に対してプラセボ群(N=113人)8.3ヶ月(ハザード比0.74,95%信頼区間:0.56–0.97)、無増悪生存期間(PFS)は5.4ヶ月に対して2.0ヶ月(ハザード比0.46,95%信頼区間:0.35–0.59)。
以上のCELESTIAL試験の2つのサブグループ解析の結果より、Exelixis社・最高メディカル責任者(CMO)であるGisela Schwab氏は以下のように述べている。”ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がん患者さんに対してカボザンチニブは前治療の期間、年齢に関係なく全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を改善することを示しました。”