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切除後の高悪性度子宮肉腫(間葉系腫瘍)患者に対する術後化学療法、経過観察に比べて全生存期間(OS)、無再発生存期間(RFS)を改善せず

この記事の3つのポイント
・GOG試験とは、切除後の高悪性度子宮肉腫(間葉系腫瘍)患者に対して術後化学療法としてドキソルビシン単剤療法後のゲムシタビン+ドセタキセル併用療法と経過観察の有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の主要評価項目である生存時間型応答の評価指標(RMST)による全生存期間OS中央値は術後療法群34.3ヶ月に対して経過観察群46.4ヶ月であった
・本試験の副次評価項目である生存時間型応答の評価指標(RMST)による無再発生存期間RFS)中央値は術後療法群18.1ヶ月に対して経過観察群14.6ヶ月であった

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、切除後の高悪性度子宮肉腫(間葉系腫瘍)患者に対する術後化学療法としてのドキソルビシン単剤療法後のゲムシタビン+ドセタキセル併用療法と経過観察の有効性を比較検証した第III相のGOG試験(NCT01533207)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer Center・Martee Leigh Hensley氏らにより公表された。

GOG試験とは、切除後の高悪性度子宮肉腫(間葉系腫瘍)患者(N=38人)に対して術後化学療法としてドキソルビシン単剤療法後のゲムシタビン+ドセタキセル併用療法を投与する群(N=20人)、または経過観察をする群(N=18人)に分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として治療関連有害事象(TRAE)発症率、無再発生存期間(RFS)を比較検証した第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である生存時間型応答の評価指標(RMST)による全生存期間(OS)中央値は術後療法群34.3ヶ月(95%信頼区間:25.3-43.3ヶ月)に対して経過観察群46.4ヶ月(95%信頼区間:43.6-49.1ヶ月)であった。

副次評価項目である生存時間型応答の評価指標(RMST)による無再発生存期間(RFS)中央値は術後療法群18.1ヶ月(95%信頼区間:14.2-22.0ヶ月)に対して経過観察群14.6ヶ月(95%信頼区間:10.3-19.0ヶ月)であった。なお、本試験の結果における両群間の統計学的有意な差はサンプル数、イベント数が少ないために見出すことはできなかった。

一方の安全性として、術後療法群にて47%の患者がグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)を発症した。なお、経過観察群では1人の患者がグレード3の高血圧を発症した。

以上のGOG試験の結果よりMartee Leigh Hensley氏らは以下のように結論を述べている。”本試験の結果次第では、切除後の高悪性度子宮肉腫(間葉系腫瘍)患者に対する術後化学療法の有用性についてのクリニカルクエスションに答えることが可能でしたが、術後療法の有益性を見出せないために本試験は早期中止になりました。”

Adjuvant gemcitabine plus docetaxel followed by doxorubicin versus observation for uterus-limited, high-grade leiomyosarcoma: A phase III GOG study.(ASCO 2018, Abstract No.5505)

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