・新規骨髄性白血病患者を対象とした第Ⅲ相試験
・レブラミド+デキサメタゾン併用療法後のレブラミド単剤療法の有効性を比較検証
・レブラミド単剤療法群の方が併用療法継続群より無イベント生存期間を改善した
2018年12月1日より4日まで米国・サンディエゴで開催されている第60回米国血液学会(ASH)にて、Intermediate-Fitの新規多発性骨髄腫患者に対する免疫調節薬(iMids)であるレナリドミド(商品名レブラミド;以下レブラミド)+デキサメタゾン(RD)併用療法後のレブラミド単剤療法の有効性を比較検証した第Ⅲ相試験の結果がEuropean Myeloma Network・Alessandra Larocca氏らにより公表された。
本試験は、Intermediate-Fitの新規多発性骨髄腫患者(N=199人)に対して28日を1サイクルとして、
1~21日目に1日1回レブラミド25mg+1、8、15、22日目にデキサメタゾン20mg併用療法後に1~21日目にレブラミド10mg単剤療法を病勢進行するまで投与する群(Rd-R,N=98人)、
または28日を1サイクルとして1~21日目に1日1回レブラミド25mg+1、8、15、22日目にデキサメタゾン20mg併用療法を病勢進行するまで投与する群(continuous Rd,N=101人)
に分けて、主要評価項目として無イベント生存期間(EFS;病勢進行、死亡、治療中止、グレード4以上の血液関連毒性発症、グレード3または4の非血液関連毒性発症をイベントとして定義)を検証した第Ⅲ相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)中央値はRd-R群9.3ヶ月に対してcontinuous Rd群6.6ヶ月、Rd-R群で病勢進行、死亡、治療中止、グレード4以上の血液関連毒性発症、グレード3または4の非血液関連毒性発症のリスクを28%減少(HR:0.72,95%信頼区間:0.52-0.99,P=0.04)した。
その他、評価項目である奏効率(RR)は部分奏効率(PR)はRd-R群73%に対してcontinuous Rd群63%、最良奏効(VGPR)はRd-R群43%に対してcontinuous Rd群35%を示すも、両群間で奏効率(RR)に統計学的有意な差は確認されなかった。
また、無増悪生存期間(PFS)中央値はRd-R群18.3ヶ月に対してcontinuous Rd群15.5ヶ月(HR:0.93,95%信頼区間:0.64-1.34,P=NS)。18ヶ月全生存率(OS)はRd-R群85%に対してcontinuous Rd群81%(HR:0.73,95%信頼区間:0.40-1.33,P=NS)であった。
一方の安全性として、グレード4以上の血液関連毒性発症率、グレード3または4の非血液関連毒性発症率はRd-R群30%に対してcontinuous Rd群39%(P=NS)を示した。なお、両群間で最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症、感染症、皮膚障害であった。
以上の第Ⅲ相試験の結果より、Alessandra Larocca氏らは以下のように結論を述べている。“新規多発性骨髄腫患者に対するRd-R療法は、continuous Rd療法に比べて無イベント生存期間(EFS)を改善し、忍容性も良好でした。”