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転移性腎細胞がん患者に対するオプジーボ+ヤーボイ併用後のチロシンキナーゼ阻害薬による2次治療で良好な結果

この記事の3つのポイント
オプジーボ+ヤーボイ併用後の転移性腎細胞がん患者が対象のレトロスペクティブ試験
2次治療としてのチロシンキナーゼ阻害薬有効性安全性を検証
奏効率部分奏効36%、病勢安定39%、病勢進行15%を示した

2019年2月、医学誌『European Journal of Cancer』にて抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用後の転移性腎細胞がん患者に対する2次治療としてのチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の有効性、安全性を検証したレトロスペクティブ試験の結果がGustave Roussy, Université Paris-SaclayのLaurence Albiges氏らにより公表された。

本試験は、未治療の進行性腎細胞がん患者に対してオプジーボ+ヤーボイ併用療法の有効性を検証した第III相のCheckMate-214試験の患者の内33人を対象に2次治療としてチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)を投与し、評価項目として奏効率(RR)、無増悪生存期間PFS)、全生存期間OS)、などを検証したレトロスペクティブ試験である。

本試験が実施された背景として、現在はCheckMate-214試験にて未治療の進行性腎細胞がん患者に対するファーストライン治療としてはオプジーボ+ヤーボイ併用療法が有用であることが証明されているが、以前はスニチニブを等のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が標準治療であった。そのため、オプジーボ+ヤーボイ併用療法がファーストラインの治療選択肢になった時、その後の後続治療についての有効性、安全性に関する有用性は不明瞭である。以上の背景より、転移性腎細胞がん患者に対する2次治療としてのチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の有用性を検証する目的で本試験が実施された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は61歳(40-77歳)。性別は男性が69.7%(N=23人)、女性が30.3%(N=10人)。腎切除歴はあり75.8%(N=25人)、なし9.1%(N=3人)、不明15.1%(N=5人)。IMDC分類はFavourableが15.1%(N=5人)、Intermediateが63.7%(N=21人)、Unfavourableが21.2%(N=7人)。

オプジーボ+ヤーボイ併用療法の中止理由は病勢進行(PD)が75.8%(N=25人)、有害事象(AE)が24.2%(N=8人)。オプジーボ+ヤーボイ併用療法の奏効率は完全奏効(CR)0%、部分奏効(PR)39.4%(N=13人)、病勢安定(SD)39.4%(N=13人)。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の種類はスニチニブ51.5%(N=17人)、アキシチニブ24.2%(N=8人)、パゾパニブ18.2%(N=6人)、カボザンチニブ6.1%(N=2人)。

以上の背景を有する患者に対する本試験の追跡期間中央値22ヶ月時点における結果は下記の通りである。33人の内評価可能であった30人における奏効率(RR)は部分奏効(PR)36%(N=12人)、病勢安定(SD)39%(N=13人)、病勢進行(PD)15%(N=5人)を示した。

無増悪生存期間(PFS)中央値は全患者群で8ヶ月(5-13ヶ月)、スニチニブ、パゾパニブなど第1世代チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による治療を受けた患者群で8ヶ月(5-16ヶ月)、アキシチニブ、カボザンチニブなど第2世代チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による治療を受けた患者群で7ヶ月(5ヶ月-未到達)を示した。また、12ヶ月全生存率(OS)は54%を示した。

以上のレトロスペクティブ試験結果よりLaurence Albiges氏らは以下のように結論を述べている。”本試験は、オプジーボ+ヤーボイ併用療法後の転移性腎細胞がん患者に対してチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の有効性を検証した最初の試験です。その結果は、無増悪生存期間(PFS)中央値をはじめ良好であり、本治療ラインにおけるチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の有用性を支持するでしょう。”

Second-line targeted therapies after nivolumab-ipilimumab failure in metastatic renal cell carcinoma(European Journal of Cancer, Volume 108, February 2019, Pages 33-40)

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