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局所進行性/転移性尿路上皮がん患者へのファーストライン治療としてのオプジーボ+NKTR-214併用療法、客観的奏効率48%を示す

この記事の3つのポイント
・局所進行性/転移性尿路上皮がん患者が対象の第2相The PIVOT-10試験の途中結果
ファーストライン治療としてのオプジーボ+NKTR-214併用療法有効性安全性を検証中
・客観的奏効率は48%、完全奏効は19%を示した

2019年2月15日、 Nektar Therapeutics社のプレスリリースにてシスプラチンベースの治療に不適格または標準治療を拒否した局所進行性/転移性尿路上皮がん患者へのファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+CD122バイアスアゴニストであるNKTR-214併用療法の有効性、安全性を検証している現在進行中の第2相のThe PIVOT-10試験(NCT03785925)の途中結果が公表された。

The PIVOT-10試験とは、シスプラチンベースの治療に不適格または標準治療を拒否した局所進行性/転移性尿路上皮がん患者へのファーストライン治療としてオプジーボ+NKTR-214併用療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、初回奏効期間(TTR)、治療関連有害事象(TRAE)発症率などを検証した非盲検下の第2相試験である。

本試験の結果、評価可能であった27人の患者における主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は48%(N=13人)、完全奏効(CR)は19%(N=5人)を示した。また、シスプラチンベースの治療に不適格な16人の患者における客観的奏効率(ORR)は44%(N=7人)、標準治療を拒否した11人の患者では55%(N=6人)を示した。また、PD-L1発現ステータス別の客観的奏効率(ORR)はPD-L1陽性群で50%(N=6/12人)、陰性群で45%(N=5/11人)を示した。副次評価項目である病勢制御率(DCR)は70%、初回奏効期間(TTR)中央値は2.0ヶ月であった。

一方の安全性として、15%以上の患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)はインフルエンザ様症状71%、疲労56%、発疹46%、掻痒32%、食欲減退27%、悪心22%の患者で確認された。また、グレード3の治療関連有害事象(TRAE)発症率は15%(N=6/41人)の患者で確認され、内4人が治療関連有害事象(TRAE)のために治療中止に至った。なお、グレード4または5の治療関連有害事象(TRAE)を発症した患者は確認されなかった。

以上のThe PIVOT-10試験の途中結果よりNektar Therapeutics・Chief Medical OfficerであるMary Tagliaferri氏は以下のようにコメントを述べている。”シスプラチンベースの治療に不適格または標準治療を拒否した局所進行性/転移性尿路上皮がん患者に対するオプジーボ+NKTR-214併用療法は、完全奏効(CR)19%を示し、非常に期待のできる臨床効果を示しました。また、本患者の平均年齢は70歳になりますが、グレード4または5の治療関連有害事象(TRAE)も確認されず、忍容性も問題ありませんでした。”

Nektar Therapeutics社 プレスリリース

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