・ラスツズマブ エムタンシン治療歴のあるHER2陽性再発転移性乳がん患者が対象の第2相試験
・トラスツズマブ デルクステカン単剤療法の有効性・安全性を検証
・既に報告済みの日米共同第1相臨床試験の結果と同様に、有用性があるとの結果に
2019年5月8日、第一三共株式会社・アストラゼネカ社のプレスリリースにてトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)治療歴のあるHER2陽性再発転移性乳がん患者に対する抗HER2抗体薬物複合体であるトラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のDESTINY-Breast01試験(NCT03248492)の結果が公表された。
本試験は、トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)治療歴のあるHER2陽性再発転移性乳がん患者に対してトラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)5.4mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、全生存期間(OS)などを検証した国際多施設共同オープンラベルの第2相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は既に報告されている日米共同第1相臨床試験の結果と同様に有用性のある結果が確認された。また、安全性においても本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなく、既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致していた。
DESTINY-Breast01試験の結果を受けて、アストラゼネカ社・R&D Oncology・Executive Vice PresidentのJosé Baselga氏は以下のようにコメントを述べている。”DESTINY-Breast01試験は、HER2陽性再発転移性乳がん患者に対する抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)単剤療法が標準治療になり得る可能性が示唆されました。また、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)は他のHER2陽性固形がんに対しても有効性を示す可能性がありますので、引き続き有用性を検証する臨床試験を実施していきます。”
参照:
第一三共株式会社ニュースリリース