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再発難治性慢性リンパ性白血病患者に対するacalabrutinib、無増悪生存期間を統計学的有意に改善する

この記事の3つのポイント
・再発難治性慢性リンパ性白血病者が対象の第3相試験
・acalabrutinib単剤療法有効性安全性を比較検証
無増悪生存期間はacalabrutinib群で有意に優れることが証明

2019年5月7日、英アストラゼネカ社のプレスリリースにて再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するBTK阻害薬であるacalabrutinib単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のASCEND試験の主要評価項目である独立審査委員会判定による無増悪生存期間(PFS)の結果が公表された。

ASCEND試験とは、既治療の慢性リンパ性白血病(CLL)患者(N=310人)に対して1日2回acalabrutinib単剤療法を投与する群、または医師治療選択群(リツキシマブ+idelalisib併用療法またはリツキシマブ+ベンダムスチン併用療法)を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として独立審査委員会判定による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は独立審査委員会判定による全奏効率ORR)、全生存期間OS)などを比較検証した国際多施設共同の第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である独立審査委員会判定による無増悪生存期間(PFS)は医師治療選択群よりもacalabrutinib単剤療法群で統計学的有意に優れることが証明された。一方の安全性として、acalabrutinib単剤療法の安全性プロファイルは既に他の臨床試験で確認されているものと一致しており、忍容性には問題がなかった。

以上のASCEND試験の結果を受けて、アストラゼネカ社・R&D Oncology・Executive Vice PresidentであるJosé Baselga氏は以下のようにコメントを述べている。“BTK阻害薬であるacalabrutinib単剤療法は、再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対する現在の標準治療に比べて優越性を示した初のBTK阻害薬です。”

参照:
英アストラゼネカ社プレスリリース

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