・古典的進行期ホジキンリンパ腫患者が対象の第3相試験
・ファーストライン治療としてアドセトリス+AVD療法の有効性・安全性を検証
・ABVD療法に比べて、3年無増悪生存率83.1%と長期的な抗腫瘍効果を示した
2019年6月13日から16日までオランダ・アムステルダムで開催された欧州血液学会(EHA)にて、古典的進行期ホジキンリンパ腫患者に対するファーストライン治療としての抗CD30モノクローナル抗体薬であるブレンツキシマブベドチン(商品名アドセトリス;以下アドセトリス)+AVD療法(ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)の有効性、安全性を比較検証したECHELON-1試験(NCT01712490)の3年フォローアップ解析の結果がCentre Antoine LacassagneのAndrea GALLAMINI氏らにより公表された。
ECHELON-1試験とは、古典的進行期ホジキンリンパ腫患者に対してアドセトリス+AVD療法を投与する群(N=664人)、またはABVD療法を投与する群(N=670人)に1対1の割合で振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証した国際多施設共同の第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値37ヶ月時点における結果、主要評価項目である3年無増悪生存率(PFS)はアドセトリス+AVD療法群83.1%(95%信頼区間:79.9%-85.9%)に対してABVD療法群76.0%(95%信頼区間:72.4%-79.2%)、アドセトリス+AVD療法群で3年病勢進行または死亡(PFS)のリスクを30%減少した(ハザード比:0.70,95%信頼区間:0.55-0.90,P=0.005)。
また、サブグループ解析ではPET陽性、陰性別で検証されておりその結果は下記の通りである。PET陰性群における3年無増悪生存率(PFS)はアドセトリス+AVD療法群85.8%(95%信頼区間:82.6%-88.5%)に対してABVD療法群79.5%(95%信頼区間:75.8%-82.7%)、アドセトリス+AVD療法群で3年病勢進行または死亡(PFS)のリスクを31%減少した(ハザード比:0.69,95%信頼区間:0.52-0.91,P=0.009)。
PET陽性群における3年無増悪生存率(PFS)はアドセトリス+AVD療法群67.7%(95%信頼区間:53.8%-78.3%)に対してABVD療法群51.5%(95%信頼区間:38.2%-63.4%)、アドセトリス+AVD療法群で3年病勢進行または死亡(PFS)のリスクを41%減少した(ハザード比:0.59,95%信頼区間:0.33-1.07,P=0.077)。
以上のECHELON-1試験の3年フォローアップ解析の結果よりAndrea GALLAMINI氏らは以下のように結論を述べている。”古典的進行期ホジキンリンパ腫患者に対するファーストライン治療としての抗CD30モノクローナル抗体薬アドセトリス+AVD療法は、ABVD療法に比べて長期的な抗腫瘍効果を示しました。”