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EGFR陽性の進行再発非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としてのゲフィチニブ、シスプラチン+ドセタキセルに比べて全生存期間を改善しない

この記事の3つのポイント
・EGFR陽性の進行再発非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてのゲフィチニブ単剤療法と、シスプラチン+ドセタキセル併用療法の有効性安全性を検証
・ゲフィチニブ単剤療法は全生存期間において優越性を示さず

2019年9月25日、医学誌『Annals of Oncology』にてEGFR陽性のステージ3b/4または術後再発非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としてのEGRRチロシンキナーゼ阻害薬であるゲフィチニブ単剤療法、シスプラチン+ドセタキセル併用療法の有効性、安全性を比較検証した3相のWJTOG3405試験(UMIN000000539)における全生存期間(OS)解析の結果がKansai Medical University HospitalのH Yoshioka氏らにより公表された。

WJTOG3405試験とは、EGFR陽性のステージ3b/4または術後再発非小細胞肺がん患者に対して21日を1サイクルとして1日1回ゲフィチニブ250mg単剤療法を病勢進行するまで投与する群、またはシスプラチン80mg/m2+ドセタキセル60mg/m2併用療法を最大6サイクル投与する群に分け、主要評価項目として無増悪生存期間PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、客観的奏効率ORR)などを比較検証した第3相試験である。

本試験が実施された背景として、EGFR陽性のステージ3b/4または術後再発非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としてのEGRRチロシンキナーゼ阻害薬であるゲフィチニブ単剤療法は、無増悪生存期間(PFS)においてシスプラチン+ドセタキセル併用療法よりも優れることを示したためである。

本試験の死亡(OS)イベントがゲフィチニブ群79.1%(N=68人)、シスプラチン+ドセタキセル群68.6%(N=59人)の患者で発生した時点における結果は下記の通りである。全生存期間(OS)中央値はゲフィチニブ群34.9ヶ月に対してシスプラチン+ドセタキセル群37.3ヶ月、ゲフィチニブ群で死亡(OS)のリスクが25.5%増加(HR:1.252,95%信頼区間:0.883-1.775, P = 0.2070)した。また、ステージ3b/4、術後再発別の全生存期間(OS)中央値はゲフィチニブ群でそれぞれ 27.5ヶ月、44.5ヶ月に対してシスプラチン+ドセタキセル群で32.8ヶ月、45.5ヶ月であった。

WJTOG3405試験の結果よりH Yoshioka氏らは以下のように結論を述べている。”EGFR陽性のステージ3b/4または術後再発非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としてのゲフィチニブ単剤療法は、全生存期間(OS)においてシスプラチン+ドセタキセル併用療法よりも優越性を示すことができませんでした。”

Final overall survival results of WJTOG3405, a randomized phase III trial comparing gefitinib versus cisplatin with docetaxel as the first-line treatment for patients with stage IIIB/IV or postoperative recurrent EGFR mutation-positive non-small cell lung cancer.(Ann Oncol. 2019 September 25. mdz399. doi: 10.1093/annonc/mdz399.)

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