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再発難治性全身性軽鎖アミロイドーシスに対するニンラーロ+デキサメタゾン、主要評価項目である血液学的奏効率を達成できず

この記事の3つのポイント
・再発難治性全身性軽鎖アミロイドーシス患者が対象の第3相試験
・ニンラーロ+デキサメタゾン併用療法有効性安全性を比較検証
・血液学的奏効率はニンラーロ群53%で、主要評価項目を達成しなかった

2019年12月7日より10日まで米国フロリダ州オーランドで開催された第61回米国血液学会(ASH2019)にて、再発難治性全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスに対する経口プロテアソーム阻害薬であるイキサゾミブ(商品名ニンラーロ;以下ニンラーロ)+デキサメタゾン併用療法の有効性、安全性を比較検証したTOURMALINE-AL1試験(NCT01659658)第3相試験の結果が公表された。

TOURMALINE-AL1試験とは、再発難治性全身性軽鎖アミロイドーシス患者(N=168人)に対して28日を1サイクルとして1、8、15日目にニンラーロ4mg+デキサメタゾン20mg併用療法を投与する群、または主治医選択の化学療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として血液学的奏効率(Overall Hematologic Response)、主要臓器の状態悪化または死亡発生率を比較検証した多施設共同オープンラベルの第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である血液学的奏効率(Overall Hematologic Response)はニンラーロ群53%に対して主治医選択の化学療法群51%(OR:1.10,95%信頼区間:0.60-2.01,P=0.762)を示し、主要評価項目を達成しなかった。また、もう1つの主要評価項目である主要臓器の状態悪化または死亡発生率はデータ未成熟であった。

一方の安全性として、薬剤関連性有害事象(AE)発症率はニンラーロ群82%に対して主治医選択の化学療法群81%を示し、最も多くの患者で確認された全グレードの薬剤関連性有害事象(AE)は下記の通りである。疲労はニンラーロ群45%に対して主治医選択の化学療法群43%、末梢浮腫は46%に対して32%、下痢は34%に対して30%、不眠症は38%に対して17%、皮膚障害は33%に対して20%、便秘は21%に対して26%、呼吸困難は24%に対して19%、上気道感染症24%に対いて16%、吐き気は24%に対して14%、末梢神経障害は19%に対して15%を示した。

以上のTOURMALINE-AL1試験の結果より、Mayo ClinicのAngela Dispenzieri氏らは以下のようにコメントを述べている。”全身性軽鎖アミロイドーシスは希少疾患であり、予後が非常に不良です。本試験が主要評価項目を達成しなかったことは非常に残念ですが、引き続き本試験の結果を引き続き調査してまいります。”

Primary Results from the Phase 3 Tourmaline-AL1 Trial of Ixazomib-Dexamethasone Versus Physician’s Choice of Therapy in Patients (Pts) with Relapsed/Refractory Primary Systemic AL Amyloidosis (RRAL)(ASH2019,abstract139)

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