・再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者が対象の第1相試験
・アバドミド(CC-122)単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は28%を示し、完全奏効率は9%を示した
2020年3月26日、医学誌『blood』誌にて再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するアバドミド(CC-122)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1相試験(NCT01421524)の結果がUniversity Hospital Vall d’HebronのCecilia Carpio氏らにより公表された。
本試験は、再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者(N=97人)に対してアバドミド(CC-122)3~5mg単剤療法を投与し、主要評価項目として容量制限毒性(DLT)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを検証した第1相試験である。
本試験が開始された背景として、再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は全生存期間(OS)中央値は4~6ヶ月程度であり予後が不良である。それにも関わらず、治療選択肢が非常に限られており、現在のところ標準治療が確立していない。以上の背景より、再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するアバドミド(CC-122)単剤療法の有用性が本試験にて検証された。
本試験の結果、グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は85%を示し、その内訳は下記の通りである。好中球減少症51%、感染症24%、貧血12%、発熱性好中球減少症10%。また、有害事象(AE)による治療中止率は10%で確認された。
一方の有効性として、客観的奏効率(ORR)は28%(95%信頼区間:19%−38%)を示し、その内完全奏効率(CR)は9%(95%信頼区間:4%−17%)を示した。また、病勢コントロール率(DCR)は30%(95%信頼区間:21%−40%)。無増悪生存期間(PFS)中央値は9週間(95%信頼区間7−14週)、6ヶ月無増悪生存率(PFS)25%(95%信頼区間:17%−35%)、12ヶ月無増悪生存率(PFS)15%(95%信頼区間:8%−23%)を示した。
以上の第1相試験の結果よりCecilia Carpio氏らは以下のように結論を述べている”再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するアバドミド(CC-122)単剤療法は、忍容性、抗腫瘍効果も良好でした。”