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早期トリプルネガティブ乳がん患者に対する術後化学療法としてのカペシタビン+標準化学療法、5年無病生存率を有意に改善

この記事の3つのポイント
・早期トリプルネガティブ乳がん患者が対象の第3相試験
・術後化学療法としてのカペシタビンドセタキセル併用療法の有効性安全性を比較検証
・5年無病生存率はコントロール群80.4%に対して、カペシタビン群は86.3%で統計学有意に改善

2020年4月10日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて早期トリプルネガティブ乳がん患者に術後化学療法としてのカペシタビン+ドセタキセル併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCBCSG010試験(NCT01642771)の結果がFudan University Shanghai Cancer CenterのJunjie Li氏らにより公表された。

本試験は、早期トリプルネガティブ乳がん患者(N=585人)に対する術後化学療法として21日を1サイクルとしてカペシタビン1000mg/m2+ドセタキセル75mg/m2併用療法を3サイクル投与後に21日を1サイクルとしてカペシタビン1000mg/m2+エピルビシン75mg/m2+シクロホスファミド500mg/m2併用療法を3サイクル投与する群(N=297人)、または21日を1サイクルとしてドセタキセル75mg/m2単剤療法を3サイクル後に21日を1サイクルとしてフルオロウラシル500mg/m2+エピルビシン75mg/m2+シクロホスファミド500mg/m2併用療法を3サイクル投与する群(コントロール群)(N=288人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無病生存期間DFS)を比較検証した多施設共同前向きオープンラベルの第3相試験である。

本試験が開始された背景として、HER2陰性乳がん患者に術後化学療法としてのカペシタビン+化学療法の有用性は他の臨床試験で示されている。しかしながら、早期トリプルネガティブ乳がん患者に術後化学療法としてのカペシタビン+化学療法の有用性を検証した臨床試験は少なく、治療選択肢になり得るエビデンスが欠けている。以上の背景より、本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値67ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である5年無病生存率(DFS)はカペシタビン群86.3%に対してコントロール群80.4%、カペシタビン群で統計学有意に改善した(HR:0.66,95%信頼区間:0.44‐0.99,P=0.044)。

副次評価項目である5年全生存率(OS)はカペシタビン群93.3%に対してコントロール群90.7%、カペシタビン群で高率であるものの統計学有意な改善は示さなかった(HR:0.67,95%信頼区間:0.37‐1.22,P=0.19)。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3以上の血液毒性好中球減少症がカペシタビン45.8%に対してコントロール群41.0%、熱性好中球減少症がカペシタビン16.8%に対してコントロール群16.0%。既知の臨床試験で確認されているカペシタビンの安全性プロファイルと類似しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。

以上のCBCSG010試験の結果よりJunjie Li氏らは以下のように結論を述べている。”早期トリプルネガティブ乳がん患者に術後化学療法としてのカペシタビン+標準化学療法は、主要評価項目である無病生存期間(DFS)を統計学有意に改善しました。”

Adjuvant Capecitabine With Docetaxel and Cyclophosphamide Plus Epirubicin for Triple-Negative Breast Cancer (CBCSG010):(J Clin Oncol. 2020 Apr 10:JCO1902474. doi: 10.1200/JCO.19.02474.)

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