・gBRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者が対象の第3相試験
・維持療法としてのリムパーザ単剤療法の有効性・安全性を比較検証
・全生存期間はプラセボ群38.8ヶ月に対しリムパーザ群は51.7ヶ月で、死亡リスクを26%減少した
2020年5月29日~31日、バーチャルミーティングで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2020)にてgBRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者に対する維持療法としてのポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬であるオラパリブ(商品名リムパーザ 以下リムパーザ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のSOLO2試験(NCT01874353)の最終解析の結果がHospital Quirónsalud and GEICOのAndres Poveda氏らにより公表された。
SOLO2試験は、gBRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者に対して維持療法として1日2回リムパーザ300mgを単剤投与する群(N=196人)とプラセボを単剤投与する群(N=99人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)などを検証した。
本試験のフォローアップ期間中央値65ヶ月時点における結果は、全生存期間(OS)中央値がリムパーザ群51.7ヶ月に対してプラセボ群38.8ヶ月、リムパーザ群で死亡(OS)のリスクが26%(HR:0.74,95%信頼区間:0.54-1.00,P=0.0537)減少した。一方の安全性は、既存の臨床試験で確認されているリムパーザの安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。
SOLO2試験の最終解析の結果よりAndres Poveda氏らは「gBRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者に対する維持療法としてのリムパーザ単剤療法は、長期に渡って全生存期間(OS)改善効果を示し、その効果はプラセボ群に比べて1年以上延長した。」と結論を述べている。