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未治療慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に対するアカラブルチニブ単剤療法、客観的奏効率は97%を示す

この記事の3つのポイント
・未治療慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者が対象の第2相試験
・アカラブルチニブ単剤療法有効性安全性を検証
完全奏効率7%、部分奏効率90%であり客観的奏功率97%を示した

2020年6月11日~14日、バーチャルミーティングで開催された第25回欧州血液学会議(EHA 2020)にて未治療慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者に対するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)選択的阻害剤であるアカラブルチニブ単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のACE-CL-001試験(NCT02029443)の長期フォローアップ解析の結果がOhio State UniversityのJohn C. Byrd氏らにより公表された。

ACE-CL-001試験とは、未治療慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者(N=99人)に対して1日2回アカラブルチニブ100mg(N=62人)、または1日1回アカラブルチニブ200mg(N=37人)単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目と無イベント生存期間(EFS)などを検証した非盲検単群第2相試験である。

本試験に登録された99人の患者の年齢中央値は64歳。Rai分類による病期ステージIII/IVが47%。遺伝子変異の種類は免疫グロブリン重鎖可変領域遺伝子(IGHV)62%、17p欠失10%。

以上の背景を有する患者に対する本試験のフォローアップ期間中央値53ヶ月時点における結果は下記の通りである。副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は97%、奏効の内訳は完全奏効率(CR)7%、部分奏効率(PR)90%を示した。また、奏効持続期間(DOR)中央値は未到達、48ヶ月奏効持続率(DOR)97%(95%信頼区間:90-99%)を示した。無イベント生存期間(PFS)中央値は未到達、48ヶ月無イベント生存率(EFS)90%(95%信頼区間:82-94%)を示した。

安全性として、最も多くの患者で発現が確認された有害事象(AE)は下痢52%、頭痛45%、上気道感染44%、挫傷42%、関節痛42%であった。また、全グレード/グレード3以上の有害事象(AE)発症率は感染症84%/15%、出血66%/3%、高血圧22%/11%。心房細動は全グレードの患者において5%を示した。また、重篤な有害事象(SAE)発症率は38%の患者で確認され、その内訳は肺炎4人、敗血症3人であった。

以上の第2相のACE-CL-001試験の長期フォローアップ解析の結果よりJohn C. Byrd氏らは「未治療慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者に対するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)選択的阻害剤アカラブルチニブは、長期に渡る安全性と持続的な抗腫瘍効果を示すことが本試験より明らかになりました」と結論を述べている。

ACALABRUTINIB IN TREATMENT-NAÏVE CHRONIC LYMPHOCYTIC LEUKEMIA: MATURE RESULTS FROM PHASE 2 STUDY DEMONSTRATING DURABLE REMISSIONS AND LONG-TERM TOLERABILITY(2020 EHA OPEN ACCESS LIBRARY,Abstract No:S163)

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