7月21日、MSD株式会社は、ヒトパピローマウイルス(HPV)6、11、16、18、31、33、45、52、58型の9つの形に対応したワクチン、シルガード9水性懸濁筋注シリンジ(組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来)、以下シルガード9)が製造販売承認を取得したと発表した。
9歳以上の女性を対象とし、9つの型のいずれかが感染由来の子宮頸がん(扁平上皮細胞がんおよび腺がん)およびその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2および3、ならびに上皮内腺がん(AIS))、外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2および3、ならびに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2および3、尖圭コンジローマの予防を効能・効果としている。
日本では、子宮頸がんの新規罹患者数は毎年約10,000人、死亡者数は約2,800人と言われている。また、子宮頸がんの好発年齢が出産や働き盛りの年齢と重なることから、女性の人生に大きな影響を及ぼすことが多い疾患であり、予防法としてはワクチン接種と定期検診がある。
従来のHPVワクチンであるガーダジル(4価HPVワクチン)が対応している4つのHPV型(6、11、16、18型)に新たに5つの型(31、33、45、52、58)のウイルス様粒子加えて9価ワクチンとした。子宮頸がんに対するHPV型のカバー率は4価HPVワクチンが約65%に対し、シルガードは約90%を示す。
MSDの代表取締役社長であるヤニー・ウェストハイゼン氏は、「このたび、既に世界で広く使用されているシルガード9の有効性と安全性が日本でも評価され、承認されたことを大変うれしく思います。シルガード9の承認は、日本の子宮頸がん予防において新たな道を切り開くものであり、日本の公衆衛生の前進に大きく寄与すると考えています。MSDは今後も日本において、人々の生命を救い、生活を改善する革新的なワクチンと医薬品の開発に全力で取り組んでまいります」と述べている。
シルガード9について
ヒトパピローマウイルス(HPV)6、11、16、18、31、33、45、52、58の9つの型に対応した9価HPVワクチン。これらの型のうちHPV16、18、31、33、45、52、58の7つの型は、子宮頸がん、外陰がん、膣がんなどの原因となる。また、HPV6、11型は尖圭コンジローマの原因の約90%を占める。9価HPVワクチンは2014年12月に米国で承認されて以降、現在では世界で80以上の国と地域で承認されている。
参照元:
MSD株式会社 ニュースリリース