・高齢の急性骨髄性白血病患者が対象の第1b相試験
・ベネクレクスタ+化学療法併用療法の有効性・安全性を比較検証
・最大耐用量はベネクレクスタ600mgに達しなかったが、全奏効率は72%を示した
2020年7月20日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて急性骨髄性白血病(AML)高齢者に対する経口BCL-2阻害薬であるベネトクラクス(商品名ベネクレクスタ;以下ベネクレクスタ)+化学療法の投与量を漸増した場合の有効性、安全性を検証した第1b相のCAVEAT試験(ACTRN12616000445471)の結果がThe Alfred HospitalのChong Chyn Chua氏らにより公表された。
CAVEAT試験とは、65歳以上の急性骨髄性白血病(AML)患者(単染色体核型の場合は60歳以上)に対して1~7日目に1日1回ベネクレクスタ50~600mg単剤療法、8~14日目に1日1回ベネクレクスタ50~600mg+8~12日目にシタラビン100mg/m2+9~10日目にイダルビシン12mg/m2併用療法を投与し、主要評価項目として安全性、副次評価項目として臨床的寛解率などを検証した非盲検下の第1b相試験である。
本試験の患者(N=51人)の年齢中央値は72歳(63~80歳)であった。主要評価項目である最大耐用量(MTD)は1日1回ベネクレクスタ600mgに到達しなかった。最も多くの患者で確認されたグレード3以上の有害事象(AE)は発熱性好中球減少症55%、敗血症35%であった。
副次評価項目である全奏効率(ORR;完全寛解(CR)+不完全を伴う完全寛解(CRi)は72%を示した。なお、de novo急性骨髄性白血病(AML)群では97%、二次性急性骨髄性白血病(AML)群では43%を示した。
CAVEAT試験の結果よりChong Chyn Chua氏らは「急性骨髄性白血病(AML)高齢者に対する経口BCL-2阻害薬ベネクレクスタ+化学療法は忍容性が良好であり、de novo急性骨髄性白血病(AML)に対して特に良好な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。