・進行性/転移性膵外神経内分泌腫瘍患者が対象の第3相試験
・surufatinib単剤療法の有効性・安全性をプラセボと比較検証
・無増悪生存期間は9.2ヶ月で、プラセボ群に対して統計学的有意に延長
2020年9月20日、医学誌『The Lancet Oncology』にて進行性/転移性膵外神経内分泌腫瘍(NET)患者に対する経口チロシンキナーゼ阻害薬であるsurufatinib(HMPL-012)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相SANET-ep試験(NCT02588170)の結果がThe Fifth Medical CenterのJianming Xu氏らにより公表された。
本試験は、進行性/転移性膵外神経内分泌腫瘍患者(N=198人)に対して1日1回surufatinib 300mg単剤療法を投与する群(N=129人)、またはプラセボ単剤療法を投与する群(N=69人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として主治医評価の無増悪生存期間(PFS)を比較検証した二重盲検プラセボ試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値13.8ヶ月時点における主治医評価の無増悪生存期間(PFS)中央値はsurufatinib群9.2ヶ月(95%信頼区間:7.4-11.1ヶ月)に対してプラセボ群3.8ヶ月(95%信頼区間:3.7-5.7ヶ月)であり、surufatinib群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを67%(95%信頼区間:0.22-0.50、P
最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。高血圧がsurufatinib群36%(N=47/129人)に対してプラセボ群13%(N=9/68人)、蛋白尿がsurufatinib群19%(N=25/129人)に対してプラセボ群0%(N=0/68人)。重篤な有害事象(SAE)発症率はsurufatinib(HMPL-012)群25%(N=32/129人)に対してプラセボ群13%(N=9/68人)を示した。
以上の第3相試験の結果よりJianming Xu氏らは「進行性/転移性膵外神経内分泌腫瘍患者に対する経口チロシンキナーゼ阻害薬surufatinib単剤療法は、無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善しました。以上の結果より、本疾患の新しい治療選択肢になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。