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再発リスク中等度~高度の腎細胞がんに対する術後化学療法としてネクサバール単剤療法、無病生存期間を延長せず

この記事の3つのポイント
・再発リスク中等度~高度の腎細胞がん患者が対象の第3相試験
・術後化学療法としてのネクサバール単剤療法有効性安全性を比較検証
無病生存期間プラセボ群に対し、統計学的有意を認めなかった

2020年10月14日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて再発リスク中等度~高度の腎細胞がん患者に対する術後化学療法としてのマルチキナーゼ阻害薬であるネクサバール(一般名:ソラフェニブ、以下ネクサバール)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のSORCE試験(NCT00492258)の結果がCambridge University Hospitals National Health Service (NHS) Foundation TrustのTim Eisen氏らにより公表された。

SORCE試験とは、再発リスク中等度~高度の腎細胞がん患者に対する術後化学療法としてプラセボ単剤療法を3年間投与する群(N=430人、アームA)、1日1~2回ネクサバール400mg単剤療法を1年間投与し、その後プラセボ単剤療法を2年間投与する群(N=642人、アームB)、1日1~2回ネクサバール400mg単剤療法を3年間投与する群(N=639人、アームC)に2対3対3の割合で振り分け、主要評価項目として無病生存期間(DFS)を比較検証した国際多施設共同二重盲検下の第3相試験である。

本試験に登録された1,711人の患者背景は下記の通りである。年齢中央値は58歳。性別は男性71%。再発リスク分類は中等度53%、高度47%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である無病生存期間(DFS)中央値は未到達であり、プラセボ群、ネクサバール群の間で病勢進行または死亡(DFS)のリスクに統計学的有意な差は確認されなかった(HR:1.01、95%信頼区間:0.83-1.23、P=0.95)。

以上のSORCE試験の結果よりTim Eisen氏らは「再発リスク中等度~高度の腎細胞がん患者に対する術後化学療法としてのネクサバール単剤療法は、臨床的意義のある結果を示すことができませんでした。本患者に対しては、腎摘出後の積極的な経過観察療法が標準治療として推奨されるでしょう」と結論を述べている。

Adjuvant Sorafenib for Renal Cell Carcinoma at Intermediate or High Risk of Relapse: Results From the SORCE Randomized Phase III Intergroup Trial(J Clin Oncol. 2020 Oct 14;JCO2001800. doi: 10.1200/JCO.20.01800.)

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