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がん免疫治療の新薬オプジーボ(ニボルマブ)が胃がんで注目される理由

悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がんに対する承認を取得し、ホジキンリンパ腫、頭頸部がんで承認申請中の抗PD-1抗体オプジーボが胃がんで快挙を成し遂げました。その快挙とは、

OS(全生存期間)を有意に延長させた

ことです。この結果を出した症例は標準治療が不応または不耐の切除不能な進行または再発胃がん患者で、この患者に対してオプジーボ投与群はプラセボ群に対して主要評価項目であるOS(全生存期間)の有意な延長を示しました。

第Ⅲ相臨床試験(ONO-4538-12 試験)の結果

胃がんは年間新規発症患者数が約 95 万人と 世界で5 番目に多いがん種であり、年間で約72万人の死亡が報告されています。

今回オプジーボが投与された患者は”切除不能な進行または再発胃がん”という胃がんの中でもその進行具合が最も進んでいるとされるステージ4の患者で、10年間生き延びる可能性は7.5%とされています。

このような患者に対する化学療法の治療アルゴリズムは『胃癌治療ガイドライン』で確立しており、下記のようなアルゴリズムとなっております。

今回オプジーボが投与された患者は”標準治療が不応または不耐の切除不能な進行または再発胃がん”でしたので、これまで打つ手がなかった四次治療としてオプジーボという選択肢が増えることになるのです。

現在のところ、ステージ4の胃がん患者の生存期間の中央値は6~13カ月であり、治療目標は延命であり治癒ではありません。

この治療目標がオプジーボにより変わるわけではありませんが、少なくとも生存期間の延長に寄与することは間違いないでしょう。

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