無作為化二重盲検プラセボ対照多施設フェーズ3試験SOLO-1の結果が示され、英AstraZeneca社と米Merck社は6月27日、BRCA変異を有する進行卵巣がんの1次治療の維持療法としてPARP阻害薬リムパーザを投与すると、プラセボを投与した場合よりも無増悪生存期間(PFS)を有意に延長できたと発表した。同社は今回の結果を持って各国で適応拡大申請を行う予定としている。
SOLO-1試験は、BRCA-1変異を有する進行卵巣がん(FIGO Stage III-IV)で、1次治療において白金系(プラチナ系)抗がん剤の投与を受けた患者で完全奏効か部分奏効が得られた391人を、維持療法としてリムパーザ300mgを1日2回投与する群とプラセボを投与する群に2対1に割り付けて行われ、日本も含めた国際共同試験。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は2度目の増悪までの時間、全生存期間など。
国際医薬品開発担当副社長、アストラゼネカのチーフ・メディカル・オフィサー、Sean Bohen氏 は「PARP 阻害剤でBRCA 変異卵巣がん1次治療維持療法において、無増悪生存期間(PFS)で有意かつ臨床的にインパクトのある改善が確認された。私たちは、臨床試験に関わった医師、病院、そして参加したすべての患者に感謝したいと思います。」とコメントした。
リムパーザは、BRCA変異の有無に関わらず、プラチナ系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法を対象に1月に承認されている。
また現在、新規診断進行卵巣がんを対象に、BRCA変異の有無に関わらず、1次治療の維持療法としてリムパーザとアバスチンを併用投与する有効性を評価するフェーズ3試験PAOLA-1も行われており、2019年に結果が出る予定となっている。
メルクプレスリリースはこちら
http://www.mrknewsroom.com/news-release/oncology/lynparza-olaparib-significantly-delays-disease-progression-phase-3-first-line-