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BRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がんに対する維持療法としてリムパーザ単剤療法、全生存期間を12.9ヶ月延長

この記事の3つのポイント
BRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者が対象の第3相試験
・リムパーザ単剤療法有効性安全性を比較検証
全生存期間はリムパーザ51.7ヶ月、プラセボ38.8ヶ月であり12.9ヶ月延長した

2021年3月18日、医学誌『The Lancet Oncology』にてBRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者に対する維持療法としてのPARP阻害薬であるリムパーザ(一般名:オラパリブ、以下リムパーザ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のSOLO2/ENGOT-Ov21試験(NCT01874353)の最終解析の結果がHospital QuirónsaludのAndrés Poveda氏らにより公表された。

SOLO2/ENGOT-Ov21試験とは、BRCA遺伝子(BRCA1/2)変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者(N=295人)に対する維持療法として1日2回リムパーザ単剤療法を投与する群(N=196人)、またはプラセボ単剤療法を投与する群(N=99人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間PFS)、重要な副次評価項目として全生存期間(OS)、安全性などを比較検証したプラセボ対照ランダム化二重盲検の第3相試験である。

本最終解析が実施された背景として、前回の解析よりBRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者に対する維持療法としてのPARP阻害薬リムパーザ単剤療法は、プラセボ単剤療法に比べて主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を改善することが示されている。以上の背景より、重要な副次評価項目である全生存期間(OS)の最終解析が実施された。

本試験のフォローアップ期間中央値リムパーザ群で65.7ヶ月(IQR63.6-69.3ヶ月)、プラセボ群で64.5ヶ月(IQR63.4-68.7ヶ月)時点における結果は下記の通りである。重要な副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はリムパーザ群で51.7ヶ月(95%信頼区間:41.5-59.1ヶ月)に対してプラセボ群で38.8ヶ月(95%信頼区間:31.4-48.6ヶ月)、リムパーザ群で死亡(OS)のリスクを26%(HR:0.74、95%信頼区間:0.54-1.00、P=0.054)減少した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)はリムパーザ群で貧血21%(N=41人)、プラセボ群で2%(N=2人)であった。また、重篤な有害事象(SAE)発症率はリムパーザ群で26%に対してプラセボ群で8%であった。

以上のSOLO2/ENGOT-Ov21試験の最終解析の結果よりAndrés Poveda氏らは「BRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者に対する維持療法としてのPARP阻害薬リムパーザは、プラセボ群に比べて全生存期間(OS)中央値を12.9ヶ月延長しました。両群間で統計学有意な差は確認されませんでしたが、リムパーザ単剤療法は本疾患の標準治療選択肢になり得るでしょう」と結論を述べている。

Olaparib tablets as maintenance therapy in patients with platinum-sensitive relapsed ovarian cancer and a BRCA1/2 mutation (SOLO2/ENGOT-Ov21): a final analysis of a double-blind, randomised, placebo-controlled, phase 3 trial(Lancet Oncol. 2021 Mar 18;S1470-2045(21)00073-5. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00073-5.)

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