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慢性リンパ性白血病に対するファーストライン治療としてのカルケンス±ガザイバ併用療法の4年長期フォローアップ、無増悪生存期間を延長

この記事の3つのポイント
・前治療のない慢性リンパ性白血病患者が対象の第3相試験
・カルケンス単剤療法、カルケンス+ガザイバ併用療法有効性安全性
 クロラムブシル+ガザイバ併用療法と比較検証
無増悪生存期間はカルケンス単剤療法、カルケンス+ガザイバ併用療法のいずれも未到達であり、
 クロラムブシル+ガザイバに対し有意に延長

2021年6月4日~8日、オンラインミーティングで開催された第57回米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)にて前治療のない慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるカルケンス(一般名:アカラブルチニブ、以下カルケンス)単剤療法とカルケンス+抗CD20抗体薬であるガザイバ(一般名:オビヌツマブ、以下ガザイバ)併用療法の有効性、安全性をクロラムブシル+ガザイバ併用療法と比較検証した第3相のLEVATE-TN(ACE-CL-007、NCT02475681)試験の4年長期フォローアップ結果がWillamette Valley Cancer Institute and US Oncology Research CenterのJeff Porter Sharman氏らにより公表された。

LEVATE-TN(ACE-CL-007)試験は、前治療のない慢性リンパ性白血病(CLL)患者(N=535人)に対して1日2回カルケンス100mg単剤療法を病勢進行するまで投与する群(N=179人)、1日2回カルケンス100mg+ガザイバ併用療法を病勢進行するまで投与する群(N=179人)、またはクロラムブシル+ガザイバ併用療法を病勢進行するまで投与する群(N=177人)に1対1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として独立判定委員会(IRC)評価によるクロラムブシル+ガザイバ併用療法に対するカルケンス+ガザイバ併用療法の無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として独立判定委員会(IRC)評価によるクロラムブシル+ガザイバ併用療法に対するカルケンス単剤療法の無増悪生存期間(PFS)、全奏効率ORR)などを比較検証した無作為化、多施設共同、非盲検の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値46.9ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である独立判定委員会(IRC)評価による無増悪生存期間(PFS)中央値はカルケンス+ガザイバ併用療法群未到達に対してクロラムブシル+ガザイバ併用療法群27.8ヶ月を示した(P<0.0001)。また、48ヶ月無増悪生存率(PFS)はカルケンス+ガザイバ併用療法群87%に対してクロラムブシル+ガザイバ併用療法群25%を示した。

副次評価項目である独立判定委員会(IRC)評価による無増悪生存期間(PFS)中央値はカルケンス単剤療法群未到達に対してクロラムブシル+ガザイバ併用療法群27.8ヶ月を示した(P<0.0001)。また、48ヶ月無増悪生存率(PFS)はカルケンス単剤療法群78%に対してクロラムブシル+ガザイバ併用療法群25%を示した。

48ヶ月全生存率(OS)はカルケンス+ガザイバ併用療法群93%、カルケンス単剤療法群88%に対してクロラムブシル+ガザイバ併用療法群88%を示した。

客観的奏効率(ORR)はカルケンス+ガザイバ併用療法群96.1%(95%信頼区間:92.1%-98.1%)であり、クロラムブシル+ガザイバ併用療法群82.5%(95%信頼区間:76.2%-87.4%)に対して高率であった(P<0.0001)。また、カルケンス単剤療法群は89.9%(95%信頼区間:84.7-93.5%)を示した。

完全奏効率(CR)、不完全な血球数の回復を伴う完全奏効率(CRi)はカルケンス+ガザイバ併用療法群でそれぞれ26.8%、3.9%に対してカルケンス単剤療法群でそれぞれ10.6%、0.6%に対してクロラムブシル+ガザイバ併用療法群12.4%、0.6%を示した。

一方の安全性として、治療中止率はカルケンス+ガザイバ併用療法群25.1%、カルケンス単剤療法群30.7%に対してクロラムブシル+ガザイバ併用療法群22.6%を示し、最も多くの治療中止要因は有害事象(AE)でカルケンス+ガザイバ併用療法群12.8%、カルケンス単剤療法群12.3%に対してクロラムブシル+ガザイバ併用療法群14.7%をそれぞれ示した。

以上のLEVATE-TN(ACE-CL-007)試験の4年長期フォローアップ結果よりJeff Porter Sharman氏らは「前治療のない慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬カルケンス単剤療法、カルケンス+抗CD20抗体薬ガザイバ併用療法は、4年間に渡り持続的で良好な抗腫瘍効果、安全性を示しました」と結論を述べている。

Acalabrutinib ± obinutuzumab versus obinutuzumab + chlorambucil in treatment-naïve chronic lymphocytic leukemia: Elevate-TN four-year follow up.(2021 ASCO Annual Meeting,Abstract No:7509)

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